電気工事において一番触る機会が多いVVFケーブルですが、今回はVVFケーブルの電工ナイフとニッパーを使った剥き方を説明します。
器具付けの際はケーブルストリッパーを使う方が多いと思いますが、常時腰道具に装着している方は少ないと思います。
器具付け以外にもケーブルを剥くシチュエーションというのは多くありますので、ササっとナイフとニッパーを腰道具から取り出してケーブルを剥けるようになっていることが重要です。
また、今回は実践的な剥き方となっていますので電気工事士の試験対応より手順が多くなってますので承知おきください。
剥く長さは違くても要領は同じですのでぜひ覚えて実践で使用してみてください。
それではやっていきます。
クリックできる目次
準備・用意するもの
作業に入る前に以下のものを準備してください。
用意するモノ
- 電工ナイフ
- ニッパー
- 検電器
- 保護手袋(できれば切創防止タイプ)
刃物を扱いますので、作業前に必ず保護手袋を装着するようにしましょう。
切創防止手袋であればより安全ですが作業性が悪いので普通の保護手袋でも問題ありません。
各種おすすめの工具は下記の記事を参照ください。
まずは外装(ビニルシース)の剥き方
まずは外装を剥いていきます。
工具はナイフを使用しますがカッターでも代用できます。ただ、カッターですと力をかけた時に刃が折れ怪我をするリスクがありますので慣れていない方はナイフを使うことをおすすめします。
最初は検電の実施
実践的な場合、受電後の現場はどのケーブルが活きていてもおかしくありません。器具付けしていない回路のブレーカーを投入することは基本的にはないのですが、回路を把握しきれていない方などが意図せず器具付け前のケーブルを活かしてしまうことがあります。
絶対にないという思い込みは危険ですので必ず検電を実施します。
剥きたい位置に切り込みを入れる
検電実施後、無電圧が確認できたらケーブルを剥く長さを決めます。
剥きたい長さの場所を決め、そこにナイフで切り込みを入れていきます。
ケーブルを持つ手はしっかりと握り固定し、ナイフをケーブルの上から押し当て手前から奥に回していくイメージです。
ここで注意していただきたいのは、刃を入れすぎてIVの被覆を傷つけないようにすることです。
IVに傷が付きますと絶縁性能の低下に繋がりますので十分に注意します。
これで上面の切り込みがはいりましたので、次は下面の切り込みを入れていきます。
今度はナイフの刃が上を向くようにして持ち、ケーブルを抱える感じで奥から手前に回しながら押し当てていくイメージです。
これでケーブルに一周切り込みを入れることができました。
注意ポイント
IVに傷が入らないように深く切り込みを入れない
外装を縦に切り込んでいく
次に外装を縦に切り込んでいきます。
ケーブルの先端からIVとIVの間に刃を入れ、そのまま先ほど一周切り込みを入れた位置まで進みます。
先端からナイフを入れ込む際はナイフの刃が片方の手に向いていますので、反動で手を切らないようにゆっくりと入れ込みます、
ここで注意していただきたいのが、やはりIVに傷を付けないということです。
刃を真っ直ぐ入れないとIVの被覆をめくりとってしまいます。
少し引っかかる感覚があれば一度手を止め切り込みの様子をみてみましょう。
この作業は刃の幅が広い電工ナイフのがIVを傷つけにくいです。
もう一つですが、VVFケーブルが3芯の場合、白と緑のIVの間にナイフを入れていくようにしてください。200Vの場合は赤と緑の間です。
その理由は、万万が一ケーブルが活線状態の場合にIVに切り込みが入りナイフに接触した際に、電圧がかかっていないアース側のが安全という理由からです。
少しでもリスクを低減させるという業界の小ネタです。
注意ポイント
- ナイフ挿入は手を切らないようにゆっくりと。
- IVを傷つけないように真っ直ぐに刃を入れる。
- 万が一を考慮し、アース側にナイフを入れる。
外装を取り除く
最後に外装を両側に剥きます。
最初に切り込みを入れた部分でひっぱればブチっと取れます。
これで外装の皮むきは完了です。
IVをニッパーで剥く
次にIVを剥いていきます。
ニッパーでもペンチでも大丈夫ですが、どちらも腰道具に装着されているかと思います。
簡単な作業になりますが、少し慣れが必要かと思います。
方法はIVをニッパーで軽くつまんで親指で押しながら引っ張ってあげるだけです。
この軽くつまむの感覚が最初は掴みづらいかもしれません。
IVの芯線に傷をつけない程度につまみます。
つまむだけだと剥きにくい方はニッパーで何箇所かをつまみ切り込みを入れてみてください。
これの方法で全てのIVを向けば完成です。
最後に
VVFの皮剥きはとても頻繁な作業で簡易なものですが、一歩間違えると重大な不具合、事故に繋がりかねません。
しっかりと注意事項を守り作業することが重要となります。