建築業や電気工事で、仕上がった壁の中の下地の位置を調べたいときってありますよね。
下地のない部分にビスを打つとすぐに抜け落ちてしましますし、強度も高くないためしっかりと下地にビスを打つことが重要です。
また、コンセント等を増設する際は、逆に下地があるとコンセントを埋め込むことができませんので確実に下地のない部分にボード開口する必要があります。
今回は色々な下地の探し方を紹介していきます。
DIYする方にも参考になるかと思いますので是非ご覧ください。
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下地探しの前に壁材の確認
下地を探す前に、まず壁の素材が何かを確認しましょう。
下地の確認ですが、壁面に取り付けてあるコンセントプレートを外し、壁の断面を見てみましょう。
念のためブレーカーを落としておくと安心です。
写真の場合はボードですね。
ベニヤなのかボードなのかが重要になってきます。
ベニヤが下地の場合は、ビスをどこに打っても効きますので、壁にビスを打ちたい場合は下地探し不要になります。
コンセントや換気扇を取り付けたい場合は、逆に壁の開口作業がボードより手間となり、ベニヤを開口できる工具を用意する必要があります。
下地の墨出しはマスキングテープを使おう
下地の位置をせっかく調べてもその場を離れてしまったら後でわからなくなってしましますよね。
そのために壁に墨出し(印をつける)をしておきましょう。
もちろん壁にそのままペンや鉛筆で書いてしまうと消せなくなってしまうので「マスキングテープ」を使いましょう。
マスキングテープは、ペンキやコーキングの養生によく使われるもので、普通のテープに比べて粘着力が弱くなっています。
そのため、テープを剥がした際に、クロスをやぶいたり、ノリが残ってしまうことがないのでおすすめです。
まずは軽く寸法を確認
最初に建物の構造を確認しましょう。
実は、木造の在来工法や、RC造・S造のLGS下地などほとんどの建築では、下地(間柱やスタッド)の間隔が455mmピッチ(1.5尺)または303mmピッチ(1尺)となっています。
だいたい柱から柱の間に等間隔で間柱を立てていきますので、壁の広さで455か303はだいたい予想がつきます。
そして、扉・ふすま・窓などの開口部の淵や壁の端には必ず柱が立っています。
つまり、開口部の端や壁の端から計測して、455mmまたは303mmの間隔で間柱が立っていますのでおおよその予測はたてられるのです。
スケールの目盛りは455mmピッチの位置に赤い矢印がしてありますので、軽くあたってみてなんとなく位置の予測をたててみましょう。
しかし、コンセントやスイッチ、窓や換気扇の配置によって間柱の位置をずらすこともあり一概には言えませんので、下記の方法を使って正確に調べる必要があります。
予測した位置にマスキングテープで印をしておいて、印周辺をメインに下記の方法で調べていくといった感じがよいかと思います。
色々な下地の探し方
壁を軽く叩いて音を確認する
一番お手軽で簡易的な方法として、壁をノックするように叩いて音を確認するという方法があります。
柱のある部分は「コンコン」といった鈍い音がし、柱のない部分は空洞ですので「ボンボン」といった軽い響くような音がします。
また、叩いた感触が、柱のある面は硬い感じがしますが、柱のない面はわりと柔らかいです。
試しに家の壁を横に移動しながら叩いてみるとすぐにわかりますよ!
この方法は本当にだいたいの位置しかわからないので、シビアな作業をする場合は下記で紹介する方法をおすすめします。
壁をたたく
・コストがかからなくお手軽
・おおよその位置しかわからない
・シビアな寸法取りには不向き
マグネットを使う
小型の超強力磁石を使って下地を調べることができます。
ネオジム磁石という強力な磁石です。
ボードやベニヤはビスを打って下地にとめていますので、そのビス(金属)に磁石が反応します。
マグネットを壁に当てながら移動させていき、引き付く感覚があればそこにマグネットを付けてみましょう。
マグネットが付いた真上にも試してみると何箇所か確認できると思います。
マグネットが付いた位置の垂直ラインに間柱がたっています。
また、下地がLGSの場合は、ボード1枚貼りでしたらLGS自体の金属に反応しますので、マグネットが貼り付くまではいきませんが、引き寄せられる感覚でおおよその位置がわかります。
コストがかからなくておすすめですが、下地の幅まではわかりません。
ビスはだいたい柱の芯に打ってありますので、柱の幅がだいたい30mm〜50mmと考えるとおおよその位置はわかります。
超強力マグネットは、ダイソーなどの百均にも売ってますので探してみてくださいね!
「下地探しどこ太」を使う
内部にとても細い針があり、押し込むことによって針がボードを貫通します。
下地があれば針が下地に刺さり途中で止まり、下地がなければ普通にブスブス刺さりますので、下地がどこにあるかと壁厚の確認が可能です。
しかし、壁材がベニヤの場合は針を貫通させることができませんので使用できません。
ベニヤ壁のコンセントの取り付け位置確認の場合は他の方法が良いでしょう。
壁にビスを打ちたいという場合は、むしろベニヤ壁でしたらどこでも効きますので下地探しは不要になります。
また、針が細いのでほとんど気になりませんが、壁に小さな穴があきますので少し罪悪感ですね。
倉庫やEPSなど、クロスが貼っていない素地仕上げのボードやクロスの素材によっては、穴が少し目立ちますので注意が必要です。
それから、ボードに針を貫通させた際に、壁内の既存のコンセントケーブルなどを傷付けてしまわないように注意しましょう。
下地探しどこ太は壁厚25mm〜ですので、12.5mm2枚貼りから使用可能です。
住宅の場合はほとんどが1枚貼りですので十分ですよね。
79025は先端にマグネットが付いてますのでビスやLGSの探索も可能ですよ!
下地探しどこ太
・ボード壁の場合は確実な位置がわかる
・12.5ボード2枚貼りまで使用可能
・ベニヤ壁には使用できない
・先端マグネット機能付き
・素地仕上げやクロスによっては穴が目立つ
・壁内のケーブルを傷つける恐れがある
「下地センサー」を使う
下地センサーは大変優秀な下地探しの道具になります。
下地センサーのスイッチを押しながら壁に当て、横に移動することにより、下地の位置を矢印ライトとブザー音で知らせてくれます。
下地のある位置は発光とブザー音を出し続けるので、間柱の幅を正確に探知することができることから、コンセント増設等の正確に下地の位置を調べたいときに重宝します。
また、壁材がボード・ベニヤを問わず、下地材も木・LGS問わず使用できます。
Homeシリーズ(79151)は壁厚が19mmまでしか探知できませんので、ボードが2枚貼りの場合はBasicシリーズ(79153)を使用しましょう。
79153は、壁内の電線の位置も知らせてくれる機能が付いています。
住宅の場合はほぼボード1枚貼りですのでHomeシリーズで問題ありません。
下地センサー
・発光発音でわかりやすい
・ベニアにも使用できる
・下地の幅を正確に探査できる
まとめ
まとめ
- 墨出しはマスキングテープで
- 壁の素材が重要
- ビスを壁に打ちたいならマグネットなどで垂直ラインを出せれば問題ない
- コンセントや換気扇取り付け等は、正確な下地センサーを使ったほうが無難
下地探しは、100均に打っているようなマグネットでもだいたいの位置は確認できてしまいますので、是非試してみてくださいね。
壁に棚を付けたいといったビスを打ち込むような作業は、おおよその位置で問題ないかと思います。
コンセントや換気扇を増設するといった作業は、ボード開口が発生しますので下地センサー等を使って正確な位置を割り出したほうが無難です。
この記事がみなさんのお役に立てれば幸いです。
それではまた、ご安全に!