知識・疑問

【疑問】ダウンライトのIV部分は天井裏で露出していていいの?

とても細かい部分のお話になりますが、ダウンライト型の照明器具や非常灯にケーブルを接続する際、先をIVにして端子台に接続しますね。

ダウンライトを天井裏に収めた後はIVが天井裏で露出した状態となります。

コンセントであればIVはアウトレットボックス内、ベースライト型の照明器具ではればIVは器具内となります。

ダウンライトに至っては構造上どうしても天井裏となってしまします。

そのIVが露出した状態が法的に品質的に問題ないかということです。

結論としては、「良くはないけど、良いとされている」です。

どういうことか順を追って説明いたします。

 

天井裏のIV露出が問題となる理由

まずIVは電線に区分されます。

そして電線とケーブルは明確に区別されています。

電線とは

電線は電気設備技術基準で下記のように定義されています。

「電線」とは、強電流電気の伝送に使用する電気導体、絶縁物で被覆した電気導体又は絶縁物で被覆した上を保護被覆で保護した電気導体をいう。

引用:電気設備技術基準 第一条の六

電線の構造は絶縁被覆で施されただけのものですので物理的な外傷のリスクがあります。

VVFケーブルの外装を剥いてしまったIV線は電線に分類されます。

ケーブルとは

そして、ケーブルは電線のまわりにビニルシース等の保護外装が施されたものです。

電線は導体に絶縁被覆のみを施したものですが、ケーブルはさらにそのまわりに外装があるため二重構造となっています。

そのため、VVFケーブルはケーブルに分類されます。

ケーブルは電線と違いあらやる場所に敷設可能となっています。

電線が敷設可能な工事種類

電線は損傷のリスクからがいし引き工事を除き露出配線は不可となります。

レースウェイ、電線管、線ぴ、ダクト等に収めなければなりません。

【低圧屋内配線の施設場所による工事の種類】

第174条

第192条から第195条までに規定する場所以外の場所に施設する低圧屋内配線は、第198条に規定する場合を除き、合成樹脂管工事、金属管工事、可とう電線管工事若しくはケーブル工事又は174-1表に掲げる施設場所及 び使用電圧の区分に応ずる工事のいずれかにより施設すること。

引用:電気設備技術基準の解釈

IVは電線なので露出不可

以上のことからIV(電線)が天井裏で露出している状態は、良くない状態であることがわかりました。

例外として接地線は露出配線可能となります。

ダウンライトの差し込み部分は電源線となりますので露出配線不可となります。

 

ダウンライト差し込み部のIV露出部分の対策

さて、ダウンライトの端子台の差し込み部分のIV露出は不可とわかりましたが、どのように対策するかが問題となります。

ダウンライトの構造上、IV部分を覆うことは困難です。

また、各電材メーカーからもそのような商品は販売されていませんし、施工側で何かしら対策しようとすると莫大な人件費と材料代のコストがかかってしまいます。

ですので現場では天井裏でIVが露出されてしまっているのが実状です。

現場では、各電気サブコンや電気工事施工会社で検討されている対応策はできるだけIV部分を短くすることです。

現場ルール、施工要領でも指示されることが多いかと思います。

外傷を受けやすいIV部分をできるだけ少なくしリスクを減らすということですね。

差し込み部分の取り回しから完全にIV露出部分をなくすことはできませんが、施工性を考慮して自分が差し込み易い長さまで短くしてみるとよいかと思います。

 

最後に

ダウンライトのIV露出部分は色々なところで議論される問題です。

照明器具メーカーが改良してくれるまでは私たちでできることをしていくことが重要となります。

完璧な解決策は今のところないというのが現状ですが、先ほどの説明のように「IVを短くする」ことを実施すれば確実に高品質の施工と言えるでしょう。

ここをやるかやらないかは大きな違いです。

是非みなさんも現場で実施してみたください。

それではご安全に!

-知識・疑問