施工要領 知識・疑問

【施工】電気工事で使うアンカーボルトや支持材料の種類と施工方法!

2022年9月11日

今回は電気工事で使うアンカーボルトの種類や打ち方を紹介したいと思います。

RC造の現場では使う機会がかなり多く、何かをコンクリートに支持する場合は基本的にアンカーボルトを使用しますね。

アンカーの種類も多数あり、一つずつ教えてもらう機会も少ないと思いますのでぜひご覧ください。

アンカーボルトとは

アンカーボルトはコンクリート等の天井や壁、床に物を支持する際に設置面にボルトを埋め込んで使用するものです。

電気工事であれば照明器具やダクター、プルボックスや配管などの支持に使用されます。

他の職種でも鋼材や設備機器などの支持に使用され、建築業界では基本的な材料です。

種類が多くありますので支持する重量や設置環境によって選定する必要があります。

アンカーの打設はコンクリートに穴を開けるため、縦方向に打撃機能のあるハンマードリルが必須の工具となります。

キリの差し込み口がSDSという特殊な形状をしたものを使用するコンクリート用の専用工具です。

アンカーボルトの種類

コンクリートビス

まずはコンクリートビスです。

こちらはアンカーではありませんがコンクリートに支持できるビスです。(そのままですが。)

現場では「コンビス」とか「青ビス」と呼ばれます。昔は青く塗装されていました。

基本的には屋外でも使用できるシルバーメッキ加工されたものを使用します。

ネジの特徴は低い山と高い山が交互になっていますので簡単に見分けがつきます。

一般的には4.0mmのビスを使用します。

強度は強くありませんので、細い配管や小さなボックスなどの支持に使用され、重量が重いものには使用できません。

・使用方法

使用方法はとても簡単で、3.5mmのコンクリートキリで下穴を開けビスを打つだけです。

ビスはドライバーでもインパクトでも締め付け可能ですが必要以上に締めると効かなくなってしまうので注意が必要です。

もし効かなくしまったら付属の詰め物(プラ板みたいのもの)を穴に詰めると効くようになります。

もし詰め物がなかったらケーブルのIVを向いたカスを詰めても同様に効きますのでおすすめです。

ポイント

・下穴を開けてビスを締めるだけの簡単施工

・重量が重いものは支持できない

・軽いもおを支持する簡易的なもの

AYプラグ

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AYプラグはビスとボルトの中間くらいの強度です。

コンビスだと心配だけどボルトナットで締める程でもないというときに活躍します。

例として39を超えるサイズの金属管を支持する際にはビスだと心配ですが、ボルトだとサドルベースの面からはみだしてしまいますよね。

サドルベースにも付属しています。

また、少し重い照明器具やダクターの支持にも使われます。

サイズはM5を使用することが圧倒的に多いかと思います。

・使用方法

①8.5mmのコンクリートキリでAYプラグを埋め込む下穴をあける。

AYプラグの全長と同じ長さかそれよりも気持ち深くドリルで穴を開けます。

穴の中の埃をとるとより丁寧な施工ですが取らなくても特に問題ありません。

②開けた穴にAYプラグを奥まで差し込みインパクトでビスを締め込む

ビスを締め込むと金物が上に上がり、羽が広がる構造となっています。

ビスが動かなくなるまで締め込んでOKです。

③一度ビスを取り外して取り付けたいものを支持する

この手順で完成です。

出典:サンコーテクノカタログ

ポイント

・強度はビスとボルトの中間

・ビスでは心配なときに使用する

コーン打ち込み式アンカー

現場ではショートアンカーと呼ばれます。

おそらく一番現場では使う機会が多いのではないでしょうか。

電気工事ではケーブルラックや配管、レースウェイの吊り込みなど天井スラブに打ち込む他に壁へのダクター支持など大量に使用します。

サイズは3分を使用することが多いです。

電気工事では全ネジは基本的にmm単位ではなく分単位を使います。

その中でも圧倒的に3分を使う場面が多いです。

ショートアンカーの特徴としては雌ネジになっているということです。

使いたい長さに全ネジを切って後から付けるといった使い方ができますので、任意の位置で機器を吊ったり壁から張り出したりといったことができます。また、不要になれば外すことができますので突起が残りません。

長さが調節できることと取り外し可能の二つが利点ですね。

もちろん首下ボルトでフラットに支持することも可能です。

・使用方法

①アンカーを埋め込む下穴を開ける(ドリル径12.5)

コンクリートに下穴を開けます。

下穴の深さはサイズにより違いますが、アンカー実物の全長で問題ありません。

長さをキリに印してドリルで穴を開けます。

②打ち込み棒でアンカーを打ち込む

ショートアンカーは雌ネジの底の部分を打ち込むと側面が開く構造となってます。

ハンマードリルのキリを打ち込み棒に取り替えてアンカーを打ち込みます。

打ち込み棒が仮に手元になかったら代用できるもの(プラスドライバーなど)をハンマーで叩いていけばアンカーが広がります。

③全ネジを任意の長さに切断しアンカーに取り付ける

全ネジを取り付ければ完成です。

全ネジは全ネジ回しやプライヤーを使いしっかりと奥まで締めましょう。

出典:サンコーテクノカタログ

ポイント

・使用頻度は一番高い

・天井からの吊り物でよく使用する

・ボルトの長さが調整できる

・取り外した後突起が出ない

芯棒打ち込み式アンカー

こちらは施工性の良い簡易的アンカーといったところです。

現場ではピンアンカーあどと呼ばれ、ルーティアンカーやオールアンカーなどの商品名で販売されてますね。

上の出っ張ってるピンをハンマーで奥まで打つだけの簡単施工です。

ピンが下に下がると羽が広がる構造です。

電気工事ではダクターや壁に支持する三角ブラケット、重たい照明器具(階段通路誘導灯など)、小型の盤などに使用します。

サイズはM8やM10を使用することが多いです。

ボルトの長さが決まっていますので、壁や床に危機等をべったると支持する際に使用します。

べったり付ける場合は上記で紹介したショートアンカーですと若干浮き上がってしまうので向きません。

芯棒タイプのアンカーはネジ径と穴あけ径が同じのため、スペースがあれば取り付ける物の上から打てるという特徴があります。

・使用方法

①下穴をあける

M8であれば8mmのキリ、M10であれば10mmのキリで穴をあけます。

深さは説明書に記載していますが、アンカーのネジがきっていない部分の長さより気持ち深いぐらいです。

②アンカーを打ち込む

穴にアンカーをしっかりと差し込み、石頭ハンマーでピンを打ち込みます。

ピンがしっかりと下まで下がるまで打ち込みます。

出典:ユニカ(株)

ポイント

・ピンを打つだけの簡単施工

・中型盤や中ぐらいの重量の物に使用

・取り付け器材の上から施工可能

締め付けアンカー

締め付けアンカーはナットを締めていくと羽が開いて固定されるタイプで強度の強いアンカーです。

ユニカのビッグワンという商品がよく使用されている印象です。

締め付けは規定のトルクでトルク管理ができますので、信頼性を求められる大型の盤の架台や幹線ケーブルが乗る幅の大きいケーブルラックなどに使用されます。

また、M12やM16などの太いサイズがあるのも大型支持物に使用される理由ですね。

ケーブルラックは全ネジで吊りますので高ナット付きのアンカーを使い延長するような形で使用されます。

こちらも芯棒タイプと同様、ネジ径と穴あけ径が同じのためあれば取り付ける物の上から打てるという特徴があります。

・使用方法

①穴をあける

ボルト径と同じサイズのキリでコンクリートに穴を開けます。

深さは説明書や箱に記載されていますのでしっかりと守ってください。

だいたいネジが切っていない部分より少し深いくらいです。

中の粉をダストポンプ等で掃除します。

②アンカーを穴に差し込む

次にアンカーを穴に差し込みますが、他のアンカーと違いすぽっと入らずかなりきついです。

専用の打ち込み棒をハンマードリルに付けて打ち込みます。

まっすぐ打たないと途中でとまってしましますので気をつけましょう。

③規定トルクでナットを締める。

規定トルクは箱や説明書に記載していますのでしっかりと締めましょう。

現場ではインパクトで感覚で締め付けることも多いですが、強度が求められる場面ではしっかりとトルク管理をすることを推奨します。

出典:ユニカ(株)

ポイント

・トルク管理ができるので信頼性が高い

・大型の盤やケーブルラックに使用

・取り付け器材の上から施工可能

ケミカルアンカー

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ケミカルアンカーは2液混合することによって化学反応することにより固着し、ボルトとコンクリートを接着します。

上記で紹介したアンカーはメカニカルアンカーという種類で羽の広がりにより物理的にコンクリートと接着していましたが、ケミカルアンカーは液体の中にボルトを入れるイメージです。

少し前は専用のガンで2液混合しながら穴に液体を注入していましたが、最近はカプセルを穴に入れその後にボルトを入れ、ボルトを叩いてカプセルを破るタイプとなりましたので施工が簡単になりました。

メカニカルアンカーよりも固着強度が強く電気工事ではキュービクルの据付架台に使用されます。他にはズレが許されない精密危機などですね。

コンクリートとボルトを接着剤で接着しますので掃除をしっかりとしないと施工不良となってしまします。

ケミカルアンカーのデメリットは液体が固まるまでに時間がかかる点です。

1日おかないと機器を据えることができません。

・使用方法

①ボルトを入れる穴を開ける

規定の埋め込み深さをハンマードリルで穴開けします。

②穴の中を掃除する

ケミカルアンカーはここが重要工程ですので怠らないでください。

ダストポンプとブラシを使いしっかりと埃を取り除きます。

③カプセルを穴に入れる

④ボルトを入れたたく

カプセルの上からボルトを穴に入れハンマーでたたきます。

カプセルが割れ液体が広がります。

⑤穴から溢れた接着剤を取り除く

液体が穴からあふれますので固まったらマイナスドライバー等で取り除きます。

出典:旭化成株式会社

ポイント

・接着力は最強

・キュービクルの据付に使用

・液体の固着に時間がかかる

アンカーに共通する注意事項

アンカーの穴あけは上からまっすぐに開けることに注意します。

穴が斜めになると当然ボルトも斜めになりますので寸法通りにアンカーを打っても機器の穴に通らなくなります。

それから穴あけ深さは説明書をよくよみ厳守するということです。

穴が深すぎるとボルトが短くなってナットがかからなくなってしまいますし、浅すぎるとアンカーの効きが弱くなります。

以上のことを守り説明書を読みながら手順を守れば難しいことではありません。

最後に

いかがでしたでしょうか。

電気工事でも多くの種類のアンカーを使用します。

対象物に合わせて適切なアンカーを選定し、品質確保に努めることが重要です。

また、施工によっても品質が左右されますので手順とルールはしっかりと守りましよう。

みなさんと現場作業のお役に立てればと思います。

それではまた、ご安全に!

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