施工要領

【照明制御】自動点滅器とタイムスイッチを組み合わせて照明を制御しよう!回路図、結線方法を解説!

2022年12月31日

外部の照明器具の制御において、「自動点滅器」と「タイムスイッチ」を組み合わせた制御が一般的となっています。

今回はこの二つの機器を併用した場合の回路図や結線方法について解説していきます。

自動点滅器とタイムスイッチについて

自動点滅器とタイムスイッチはどちらも電源を自動でオンオフする機器ですが、それぞれ特性が異なっています。

内部に接点が組み込まれており、スイッチと同じような役割を自動で行います。

自動点滅器は周囲の明るさを検知してオンオフし、タイムスイッチは設定した時間にきっちりとオンオフします。

それぞれの機器の詳しい説明は下記の記事を参照ください。

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なぜ自動点滅器とタイムスイッチを併用するのか

施設や住宅の外部の照明は自動で点灯・消灯する運用としたほうが、手間もかからず省エネですよね。

例えば、外部照明を夕方暗くなったら自動で点灯し、夜中は省エネのため消灯させる制御をするとします。

この希望に対し、タイムスイッチのみで制御し、17時から23時まで点灯する設定をしたとします。

しかし、17時ですと夏場はまだ日没していないので、点灯させてしまうと無駄な電力を消費することとなります。

逆に自動点滅器のみで制御した場合は、周囲の明るさを検知しますので、日没から日の出まで点灯します。

その場合は、使用しない夜中も点灯し続けることになりますから、省エネとはいえませんね。

こういった場合に、自動点滅器とタイムスイッチを組み合わせることで理想の制御を実現することができます。

配線方法

電気工事士の実技試験では、ジョイントボックスを設けて出題されますね。

試験のように、自動点滅器とタイムスイッチが別々の場所にある場合は、ジョイントボックスを設けてスイッチ結線する必要があります。

実務では、ウオルボックスや盤に自動点滅器とタイムスイッチが、同一の場所に設置されることが多いです。

自動点滅器は盤等の側面に設置し、タイムスイッチは盤等の中に設置するような感じです。

ウオルボックスや盤に電源と負荷のケーブルを配線することになります。

その後、盤等の内部で接続・結線を行います。(後述)

それぞれの配線図は下図の通りです。

結線方法

自動点滅器とタイムスイッチを組み合わせた結線は、タイムスイッチが「電源別回路タイプ」と「電源同一回路タイプ」で結線方法が異なります。

「電源別回路タイプ」では自動点滅器とタイムスイッチの接点が直列に繋がれます。

対して「電源同一回路タイプ」は自動点滅器とタイムスイッチの接点が並列に繋がれます。

「電源同一回路タイプ」は出力が有電圧となりますので、構造上接点を直列にすることができないというわけですね。

ちなみに、電気工事士の実技試験で出題されるパターンはタイムスイッチが「電源別回路タイプ」(直列繋ぎ)です。

実務においても、タイムスイッチがどちらかを確認し、結線方法に注意しましょう。

下図はそれぞれを簡易的に表した回路図です。

どちらの回路においても、電気の流れをイメージすれば、わざわざ回路図を見なくても結線できるようになりますよ!

電源別回路タイプの結線方法

下の図が、タイムスイッチが電源別回路の場合の結線図です。

タイムスイッチ、自動点滅器ともに電源が必要になります。

電源はタイムスイッチは「S1、S2」、自動点滅器は「1、2」に繋ぎます。

自動点滅器の1に入力された電源のLive側(黒線)が接点を介して4から出力されます。

その出力をタイムスイッチの入力(L1)に接続し、L2から出力されます。

ニュートラルは全て共通となります。

このように順を追っていくとわかりやすいですよ。

自動点滅器がリード線タイプの場合は「黒、白、赤」のリード線が出てますので、図の色の通りに接続します。(赤が出力になる)

3線式の端子台タイプの場合は「1、2、3」と番号が記載されていますので、3が出力となります。(3線式の場合2と3が共通)

電源同一回路タイプの結線方法

電源同一の場合は、電源のL相とN相にそれぞれ接点が入る構成となります。

結線は下図の通りですが、注意事項としてタイムスイッチに入力する電源(S1、S2)は、電源別回路のときと相が逆になっていますので注意が必要です。

S1にニュートラル(白線)、S2にLive(黒線)が入ります。

出力は電源別回路と同じく、タイムスイッチはL1、自動点滅器は4(3線式は3)となります。

タイマーの設定時刻

二つの機器を併用した場合の点灯条件はAND条件にします。

上の配線結線方法はAND条件となっています。

AND条件とは二つの条件が両方とも成立したときに、照明が点灯することです。

例えば、日没後に点灯し、夜の23時に消灯する設定にしたい場合は、タイムスイッチを日没前の時間に点灯設定し、23時に消灯する設定にします。

自動点滅器は日没と日の出を検知しますので特に設定はいりません。

この場合のAND条件は、「周囲が暗い」(自動点滅気の条件)かつ「15時〜23時」(タイマーの条件)が成立した場合に照明が点灯します。

そのため、タイマーの条件が自動点滅器の条件よりも早く成立させるために、タイマーの点灯開始時間は一年中明るい時間帯に設定します。

タイマーの消灯時間はもちろん任意の時間です。点灯が必要でなくなる時間に設定します。

AND条件照明点灯

まとめ

まとめ

  • 自動点滅器とタイムスイッチの併用で理想の照明制御が可能
  • 機器をどこに設置するかにより配線方法が変わる
  • タイムスイッチの仕様により結線方法が変わる
  • タイムスイッチの点灯開始時間は余裕をみて確実に日の入りより早い時間にする

自動点滅器とタイムスイッチを組み合わせた制御の説明でした。

割と一般的な施工ですので、この機会にマスターしてみてください。

それではまた、ご安全に!

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