高圧ケーブルの縦配管(垂直配管)において、最も恐ろしいのは「ケーブル自重によるケーブル自体の伸びや滑落」です。
これを軽視すると、ケーブル内部の導体が断線したり、絶縁被覆が損傷したりして、将来的な地絡事故に直結します。
高圧ケーブルの見て目は、ごつくて頑丈に見えますが、建物の受電ケーブルということもありデリケートに扱う必要があります。
被服の損傷により地絡事故を起こすと、負荷ケーブルの事故とはわけが違い、全館停電になりますので、施工の際はしっかりとポイントを押さえていきましょう。
本記事では、高圧ケーブルの縦配管における技術的留意点を解説します。
縦配管は自重の分散が重要!
屋上にキュービクルが設置される場合や、高圧ケーブルの更新でケーブルの経路を変更する場合等、外壁に電線管を敷設して、高圧ケーブルを通すという施工はとても多いです。
この場合、横引きと異なり、一番下となる部分にケーブルの全重量がのしかかってきます。
高圧ケーブルは、高電圧を絶縁するための絶縁体や、半導電層、遮蔽銅テープと何層にもなる構造となるためとても太くなります。
そのため、縦配管では、ケーブルの重さをどう分散・支持するかが施工の成否を分けます。
プルボックスの設置は必須
高圧ケーブルの縦配管をする場合は、プルボックスの設置が重要となります。
プルボックスを設置しないと、ケーブルを支持する部分がないため、最下部に全荷重がかかってしまいます。
プルボックスの設置間隔は6m以下の間隔に設置します。
根拠規定は「内線規程」と「建築設備設計基準」に記載があります。
ケーブルを造営材に取り付ける場合の支持点間の距離は、2m(垂直に取り付ける場合は6m)以下とすること。
引用:内線規程2300-2-2⑤a
内線規程では、プルボックス自体の設置を規定していませんが、高圧ケーブルの垂直支持について6m以下と規定していますので、支持点をとるためにプルボックスは6m以下とする必要があります。
電線管の垂直区間が6mを超える部分
引用:建築設備設計基準 第2編3-3-1
建築設備設計基準では、明確に6m以下と謳っています。
電線管の支持方法
高圧ケーブルを収める電線管は、G82やG104などの太いものになりますので、しっかりと固定する必要がありますが、一般的な支持方法であるダクター+ダクタークリップで固定します。。
より堅固に固定する場合は、鋼材にUボルトという方法もありますが、指定がない限りはダクタークリップで問題ありません。
通線時も自重滑落に注意
高圧ケーブルを縦配管に通線する場合は、下からでは重すぎてとてもではなく人力では引き上げられないので、一般的には上から落とすか、ウインチ+延線ボールを使用した工法となります。
施工方法を誤ると、ケーブルの自重で滑落し、事故の原因となりますので注意しましょう。
上から落とす場合は、ケーブルを落とす部分に金車を設置し、上部ではケーブルを引き気味に力をかけながら慎重に落としていきます。
プルボックスの部分には人を配置し、ケーブルの面倒をみますが、管口に手を巻き込まれないように注意です。
ケーブルを欲しい長さまで落としきったら、プルボックスの部分で支持をして通線は完了になります。
プルボックス内での支持方法
プルボックス内はケーブルを支持できる部分がありません。
そのため、下の画像のように荷重がかかる下側の管口に、ゴム製のストッパーを詰め込み支持する形となります。


ヨツギから「KYストッパー」という商品名で販売されています。
意外と縦配管のプルボックスの中って見る機会ないですよね。
実はこんな感じで支持されているんですね。
まとめ
まとめ
- 縦配管のプルボックスは6m以下
- 施工時は危険なので慎重に!
- ケーブル支持はKYストッパーを使用
それではまた、ご安全に!