ケーブルストリッパーは、ケーブルの皮剥きをする工具で、施工の省力化に貢献してくれる大変優秀な工具ですね。
ケーブル剥ぎ取りはナイフが基本ですが、時間的な手間やコスト削減はやはり優秀な工具に変わるものはありません。
多種多様なものが販売されていますので、物によって対応するケーブルや使う場面が変わってきますので、複数所持することも多い工具です。
選び方がわからない、自分がよく行う作業に最適なものがわからないという方におすすめを厳選しました。
ストリッパーは電装用などもありますが、この記事では電気工事のものを紹介していますので是非ご覧ください!
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ケーブルストリッパーの選び方
ケーブルストリッパーこそ適材適所という言葉が合う工具です。
ケーブルや状況に合わせたストリッパーを持ち合わせることが大事になります。
基本的には、どのケーブルを剥くかで形状はだいたい決まってくるかと思います。
下記のおすすめ商品は、各ケーブルや状況による使い方も説明しています。
おすすめケーブルストリッパー紹介!
ホーザン(HOZAN) P-958
P-958は電気工事士試験の大定番ですね!
電気工事士試験の実技工具セットに入っています。
1.6mm×2芯/1.6㎜×3芯、2.0㎜×2芯/2.0㎜×3芯に対応しています。
基本的にはVVFケーブル用のストリッパーとなりますが、刃の根元にケーブル切断刃が付いていますのでニッパーとしても使え、グリップを開く方向にバネの力がかかるのでとても使いやすいです。
また、歯の先端には芯線を摘むことのできる形状となっていますので、輪作り(のの字かき)も簡単にできます。
VVFの外装とIVをどちらも剥くことができ、これ一本でVVFケーブルの剥ぎ取りは問題ありません。
IVの剥ぎ取りは、以前のモデルP-957では2芯までしか向けませんでしたが、P-958は3芯を一度に剥けるのでパワーアップしています。
外装の剥ぎ取りは、それぞれの芯数とケーブルサイズで場所が違うので場所を覚えるまでは慣れが必要です。
VVFケーブル用のストリッパーは機械式(後述)をみなさん使いがちですので、現場で使っている方は少ない印象ですが、たまにすごい腕の立つ職人さんが使っていたりします。
機械式との違いはケーブルを横に向ける点や、サイズによって場所を変える必要がある点ですが、機械式と遜色ない作業スピードになるかと思います。
ただ、コンセントの取り付け作業やジョイント(接続作業)には剥く方向が横ですので不向きかなというところです。
また、機械式はかさばるので腰道具に入れる人は少ないですが、P-958はサックにニッパー感覚で入るのは嬉しいポイントですね。
ポイント
・VVFケーブル用
・・1.6mm×2芯/1.6㎜×3芯、2.0㎜×2芯/2.0㎜×3芯に対応
・輪作りが簡単にできる
・サイズにより刃の場所が違う
・コンセント取付等には不向き
・腰道具に装備したい人におすすめ
ホーザン(HOZAN) P-929
同じくホーザン から機械式のVVFケーブルストリッパーの紹介です。
通称「ガッチャン」または「バシャバシャ」。ハンドルの握る音から現場ではこんな風に呼ぶ人が多いです。
1.6mm×2芯/1.6㎜×3芯、2.0㎜×2芯/2.0㎜×3芯に対応しています。
ハンドルを握るだけのワンタッチですので、外装で一回、絶縁被覆で一回と二回の動作で剥ぎ取ることが可能です。
現場においても、ほとんどの電気屋さんがこの機械式を愛用しています。
腰道具に入れるとかさばるので、器具付け作業やジョイント、盤結線等必要になったら持ち歩く感じですね。
ワンタッチですので、剥ぎ取りの際のストレスがないのであらゆる場面で活躍します。
コンセントや照明の取り付けはもちろんですが、盤結線等の長めに被覆を剥く際も電工ナイフと組み合わせることで、長く剥くことが可能です。
P-929は切り込み深さを5段階で調整できますので、芯線を傷つける心配もありません。
プロ向けといえますが、もちろん電気工事士試験でも活躍します。
電気工事をする上で必須級となるストリッパーです。
ポイント
・VVFケーブル用
・1.6mm×2芯/1.6㎜×3芯、2.0㎜×2芯/2.0㎜×3芯に対応
・機械式なのでワンタッチ操作で使いやすい
・あらゆる場面で活躍
・5段階の深さ調整機能
ベッセル(VESSEL) 3500E-1
ベッセルからワイヤーストリッパーです。
こちらはロングセラーの定番商品で、腰道具に常備している職人さんが多い印象です。
外装を剥く機能がなく、絶縁被覆も1本ずつしか剥くことができませんが、このストリッパーの特徴は0.5〜2.0mmの電線に対応しているところです。
つまりCPEVやAE線などの弱電線の皮剥きに適しています。
細い電線をニッパーで剥こうとすると芯線に傷が付きやすく、かなり難易度が高いかと思います。
細い電線に傷が付くと芯線の中折れのリスクがかなり高いので、その点このストリッパーは弱電線でも安心して皮剥きできます。
2.0mmまで対応ですので、もちろんVVFの絶縁被覆も剥けますので、機械式のストリッパーが手元にない際などに活躍します。
また、P-958同様、刃の根元に切断刃が付いていますので、IVなどの細い線程度でしたら切断可能ですし、先端は輪作りプライヤーとなっていますので輪作りも簡単です。
もちろん、VVFやCVのような強電系のIV線も剥け、単線より線どちらもいけますので、ちょっとした作業用に腰道具に装備することをおすすめします。
ポイント
・CPEVやAE線などの弱電線に適している
・VVFのIVやCVなどの拠り線の皮剥きも可能
・輪作りプライヤー付き
・ニッパー機能付き
ジェフコム(DENSAN) ND-800
こちらはCVケーブルやVVRケーブルなどのラウンド型(丸型)ケーブルの外装を剥ぎ取るストリッパーとなります。
CV等の皮剥きはVVFと形状が違うため上記のストリッパーでは剥ぎ取ることができないので、ND-800が活躍します。
コンセント取り付けなどの、1本だけCVを剥きたいといった場合は、正直電工ナイフを使えば問題ないです。
しかし、大量にCVを剥く場面や長めに剥く場合は、ND-800がないとかなりきついことになります。
例えば、盤結線です。分電盤に集めた大量のCVを剥く際に大変活躍してくれます。
使い方は、ケーブルを掴んでクルクル回して横に引くだけですのでとても簡単です。
頻繁に使う感じではありませんが、小型軽量ですので腰道具に常備しても支障はありません。
CV盤結線の必需品ですね!
ポイント
・丸型ケーブルの外装剥きに
・盤結線などの大量のCVケーブル剥きに
ベッセル(VESSEL)No.3000C
こちらは拠り線専用のストリッパーです。
主にCVケーブルのIVを剥く際に使用します。
CVケーブルは、ND-800で外装を向き、このNo.3000でIVを剥くといった使い方がいいかと思います。
やはり、1本2本でしたら電工ナイフとニッパーで問題ありませんが、大量のケーブルを剥くとなるとストリッパーの力を頼らざるをえません。
特にCVケーブルのIVの被覆は、架橋ポリエチレンというとても硬い被覆となっていますので、ニッパーやペンチではなくこのような機械式ストリッパーがとても活躍します。
このストリッパーは1本ずつしか剥くことができませんが、盤結線となると結局1本ずつ剥くことになりますので問題ありません。
狭い盤内ですと、このぐらいのサイズ感がちょうどいいですよね!
また、電線を横に向けて剥くタイプとなっていますので、ブレーカーの繋ぎこみには最適です。
他にもVCTFなどのより線でしたら対応しています。
ポイント
・より線専用
・単芯専用
・CVケーブル盤結線のIV剥きに最適
タジマ(Tajima) ムキチョッパ
ムキチョッパはCVTケーブル用のストリッパーです。
形はハサミのような形状ですが、太くて硬いCVTケーブルを剥ぎ取るのに適しています。
大量のケーブルを剥ぎ取る際は、後述するムキソケが活躍しますが、ムキチョッパの優れている点はケーブルの先でけではなく、中間を一部剥くことにも適しているという点です。
そのため、T分岐接続にもってこいのストリッパーとなります。
細いケーブルでしたら切断可能ですので、ニッパーとして腰道具に装備してもよさそうですよね!
電動ドリルを使用したムキソケについては下の記事を参照ください。
ポイント
・CVTケーブルの皮むきに
・中間剥きが可能
・T分岐接続に最適
・腰道具に装備できる
まとめ
まとめ
- VVFケーブルは基本的には機械式のストリッパーが便利
- ベッセル 3500E-1は単芯用だが、弱電線や単線より線どちらもいけるので、腰道具装備におすすめ
- CVケーブルの被覆はジェフコム ND-800、IVの架橋ポリエチレンはベッセルNo.3000C
- CVTケーブルはタジマのムキチョッパ
電気工事のケーブル剥ぎ取り工具、ケーブルストリッパーの紹介でした。
ケーブルごとに揃えることも大変ですので、自分の普段の作業状況によって少しずつ揃えていくことをおすすめします。
とはいえ、作業スピードにおいては工具は裏切らないですよね!
それではまた、ご安全に!