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ダクターチャンネルとは?レースウェイ とは?それぞれの違いと特徴を詳しく解説!

2023年5月21日

今回は、ダクターチャンネルとレースウェイ について詳しく解説していきます。

電気工事の支持材として、ダクターはあらゆる場面で使われますよね。

レースウェイ については、直天井の照明器具の電線路として使用されているのをよく見ると思います。

両者の見た目はぱっと見で全く同じですが、実は違う材料を使用しています。

違いとして、ダクターは配管やケーブルラック 等の支持材料としての役割、レースウェイ は電線の保護材・通り道という認識で問題ないです。

現場での呼び名は、ダクターがD1でレースウェイがDP1ですのでD1とDP1の違いとも言えますね。

順番にそれぞれの違いや特徴を詳しく説明していきますので是非ご覧ください。

ダクターチャンネルとは?

ダクターチャンネルとは、必要な長さに加工し、電線管やケーブルラック、分電盤などを支持するために使用される材料です。

また、ケーブルを直接ダクターに縛るといった使い方や、ダクターで架台を組んで機器を取り付けるといった使い方もします。

コの字型のダクト状の形状をしていて、ローレットという折り返し部分に色々な金物を引っ掛けて使用します。

ダクタークリップ、パイラッククリップ、ラックの金物、全ネジ用の中ナットなど、本当にありとあらゆる場面で使用されますので、電気工事においては超重要部材の一つです。

現場では主にネグロスのものを使用することが多く、幅は40mmで統一され、高さが高くなるにつれD1、D2、D3と商品がラインナップされています。また、D15など高さが低い商品もあります。

高さは、支持するものを出っ張らせたい場合や、支持するものの重量から選定しますが、D1が圧倒的に使用頻度が高いです。

現場では総称してダクターと呼んだり、D1やD2といった商品名で呼ぶこともあります。

レースウェイ とは?

レースウェイとは、直天井部分に照明器具を設置したり、カフェなどの店舗でお洒落な意匠を演出する場合に、電線を中に通して配線に使用する材料です。

直天井とは、天井にボードを貼らずに、スラブや躯体がそのまま仕上げとなり、天井裏がないような場所です。

EPSや機械室、倉庫、駐車場などが直天井ですね。

直天井は天井裏がないので、レースウェイ は電線を収容するためのダクトの役割と、照明器具を設置する役割があります。

ダクターチャンネルと違い、電線を中に通して使用しますので、開口部分にはフタを取り付けて使用します。

ショッピングセンターの駐車場を見上げてみると、レースウェイ工事がされていることが多いですよ。

レースウェイは、配線がケーブルではなく電線の場合は、電気設備技術基準の解釈「金属線ぴ工事」に該当し、内線規程においては「金属線ぴ配線」に該当します。

中に電線を収容しますので、各規程では配線工事として分類されていますね。

また、レースウェイの幅は4cm以上になりますので、金属線ぴの内、「2種線ぴ」に分類されます。

現場では、ネグロスの商品名であるDP1やDP2と呼ばれることが多いです。

ダクターチャネルとレースウェイ の違い(D1とDP1の違い)

サイズも見た目もほとんど同じ両者ですので、かなり見分けが付けづらいですが、明確な違いがありますので、下記の項目から現場で判断してみましょう。

用途の違い

まず、上記での説明のとおり、両者には用途に明確な違いがありますね。

ダクターは、電線管、ケーブルラックなどを支持する材料です。

レースウェイは照明を設置するため、照明を支持したり、電線を収容し通り道とするための材料です。

用途
・ダクター:支持材料
・レースウェイ :電線を収容し保護する材料

長さの違い

ダクターの定尺は、昔は2.5mが一般的でしたが、現在は4mも商品としてラインナップされています。

レースウェイ の定尺は、全て4mとなります。

ダクターに4mが登場したので、長さとしての違いが分かりづらくなりましたが、現在でもダクターは2.5mを使うのが主流となっていますので、ダクターは2.5m、レースウェイ は4mという認識で問題ありません。

2.5mの真物があれば間違いなくダクターですね。

ダクターは支持材なので、加工して使うのが基本という考え方から、持ち運びしやすい2.5mが主流となり、レースウェイ は長い電線路を構築するということで長い4mということですね。

定尺
・ダクターは2.5mが主流
・レースウェイ は4mのみ

表示の違い

それぞれに商品型名の刻印があります。

ダクターでしたらD1、D2などのDシリースですね。

レースウェイ の場合は、DP1やDP2のDPシリーズです。

また、商品名の刻印は切断済みの木っ端ですと見えない場合がありますので、センターラインで判断しましょう。

商品の芯にまっすぐラインがあるのがダクター、ラインがないのがレースウェイです。

表示
・ダクター:Dシリーズ、センターラインあり
・レースウェイ :DPシリーズ、センターラインなし

厚みの違い

基本的には、レースウェイよりダクターのが厚みがあり荷重に強いです。

レースウェイに支持するものは照明器具ですが、ダクターは太い電線管や幹線を乗せたケーブルラック等かなり重いものを載せるため、たわみや耐荷重を考慮した作りとなっています。

ダクターの耐荷重表はネグロスのカタログに載ってますので確認してみてくださいね。

具体的な厚みですが、レースウェイ については1.6mmで統一されています。

ダクターについては、2mmが一般的となります。

ダクターはSシリーズ(ステンレス)やD15は、素材や作りの関係で1.5mmですね。

また、D1のサイズは16D1という厚さ1.6mmのものがラインナップされていますが、材料選定の手間があるのでほとんど使用されない印象です。

厚さ
・ダクター:2mmが一般的
・レースウェイ :1.6mmで統一

ローレットの違い

両者のローレットの形状に違いがあります。

ここが、見た目として一番わかりやすい部分ではないでしょうか。

ローレットとは、コの字型の開口部分にある折り返しの部分です。

ダクターは、ローレットがギザギザになっています。

レースウェイはローレットが平らになりますね。

これは、ダクターの場合、ダクタークリップやパイラッククリップなどを引っ掛けるように使用しますので、滑りにくくしてしっかりと固定できるようにするためですね。

ローレット
・ダクター→ギザギザ
・レースウェイ →平ら

まとめ

まとめ

  • ダクターチャンネルは支持材料、レースウェイは配線を収容するもの
  • レースウェイは2種線ぴ
  • 分かりにくいが、それぞれに見た目の違いがある

ダクターとレースウェイは見た目がほとんど同じですので判断に困りますが、この記事で判断できるようになったのではないでしょうか。

今後は、材料置き場でD1とDP1が混在しているようなときには困りませんね!

この記事がみなさんのお役に立てましたら幸いです。

それではまた、ご安全に!

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