施工要領

回路の色々な導通チェック方法を解説!テスター、メガー、単芯にも対応!

今回は導通チェックの色々な方法を紹介していきたいと思います。

基本的にはテスター(回路計)を使った方法ですが、絶縁抵抗計を使った方法や単芯ケーブルをチェックする方法など現場で使えますので是非ご覧ください。

導通チェックとは

導通とは電気的に繋がっている状態をいいます。

電気の配線は、大量のケーブルを長い距離配線しますので、どれがどの配線かをチェックする作業が導通チェックです。

例えば、分電盤側のケーブルとコンセント側のケーブルが、認識している回路であるかを確認します。

基本的には、わからなくならないようにケーブルに番号や名前を記載することが常識ですが、名前が消えて読めなくなったり番号を書き忘れた場合や、器具を付けた後の最終チェックなどで導通チェックを行います。

導通チェックの方法

導通チェックの基本方法

導通チェックは、マルチテスター(回路計)の導通チェック機能を使用します。

導通チェック機能は、言わば「音がなる抵抗測定機能」です。

テスターの二つのプローブ間の抵抗が、機種によって違いますが40〜60Ω以下になるとブザー音が鳴ります。

つまり、テスターのプローブ同士が接触すれば抵抗はほとんど0ですので、ブザーが鳴ります。

この方法で片方のケーブルの端末の2本の電線にそれぞれのプローブを当て、もう片方のケーブルの2本の電線を短絡(接触)させることにより、ブザーの音の有無で導通状態を確認します。

【準備】

まず、テスターのダイアルを導通チェックに合わせます。

機種によって違いますが、だいたいWi-Fiのようなマークです。

他の機能と兼用ダイヤルの機種もありますので、その場合はダイヤルを合わせた状態でセレクトボタンを何度か押して導通チェックに合わせます。

表示画面に導通チェックのマークが表示されたら準備OKです。

ブザーがしっかり鳴るか、試しにプローブ同士を接触させて音を確認しておきましょう。

【測定開始】

配線ケーブルの回路チェックになると、ケーブルの両端が遠くなることがあるので二人で行うことになります。

声が届かない場合は、無線機や携帯電話を使って連絡をとりましょう。

ケーブルの端末の2本の電線にテスターのプローブをそれぞれあてます。

もう片方のケーブルの端末は、2本の電線を短絡(接触)させます。

すでに端子などに結線している場合は、短い電線などを使って短絡させます。

この状態でブザーが鳴れば導通していることが確認できます。

導通状態ですとブザーが鳴り続けますので、何度か短絡してる電線を開放しブザー音が止まるかを確認しましょう。

同軸ケーブルの導通チェック方法

導通チェックは基本的には2本の線が必要です。

同軸ケーブルは単芯ですので、もう1本は「シールド」を使用します。

シールドはケーブル被覆の下の層にある網状のものです。

テスターは芯線とシールドにあて、片側は芯線とシールドを短絡します。

そのままですと短絡しずらいと思うので、少し長めにケーブルを剥き、シールドの網をほどき捻って細長くしましょう。

同軸ケーブル以外の、銅テープタイプのシールドでもこの方法で同様に対応できます。

同軸ケーブルの導通チェック方法

単芯ケーブルの導通チェック方法

単芯はあまり使用することはないかと思いますが、325sqなどの太いケーブルをCVTで配線するとなると施工的に厳しい場合は、CVの単芯を3本配線することがあります。

CVTと違い、CVの単芯は色による識別ができませんので、1本ごとに導通チェックする必要があります。

1本ごとに導通チェックする場合は「アース(接地)」を利用します。

アースは建物全体で共通する電線です。全てのアースは繋がってるからですね。

このアースを導通チェックで使う1本の電線として使用するのです。

アース端子やアース線が好ましいですが、LGSや鉄骨などのアースと導通されてそうな部分でも問題ありません。

テスターは、導通チェックしたいケーブルの芯線とアースにあてます。

反対側はケーブルの芯線とアースを短絡します。

単芯ケーブルを導通チェックする方法

絶縁抵抗計(メガー)でも導通チェック可能

実は絶縁抵抗計を使って導通チェックをすることが可能です。

基本的にはテスターを使った方法と同じですが、絶縁抵抗計の場合は回路に電圧を印加します。

線間メガーと同じ要領で、片方の電線はアース側のクリップをし、もう片方の電線に電圧を印加します。

反対側のケーブルは電線同士を短絡します。

絶縁抵抗計は回路に電圧を印加し、絶縁抵抗値を測定しますので、電線同士が接触している場合は絶縁抵抗値が0の値になります。

導通されていれば絶縁抵抗の値は0に、導通されていない場合は∞の値となります。

この手法で確認する際は、実際に回路に電圧が印加されることにより感電の可能性がありますので、芯線には絶対に触れないようにしましょう。

印加する電圧のレンジは何Vでも問題ないですが、感電のリスクを考慮して小さい電圧が好ましいです。

テスターが手元にないけど、どうしても導通チェックしたい場合などに試してみてくださいね。

絶縁抵抗計による導通チェック方法

まとめ

まとめ

  • 導通チェックにはテスターを使用する
  • 片側には線間にテスターを当て、もう片方は短絡させる
  • 同軸ケーブルはシールドを利用する
  • 単芯ケーブルは接地を利用する
  • 絶縁抵抗計でも導通チェックできるが、感電に注意

色々な方法の導通チェックの紹介でした。

単芯ケーブルや同軸ケーブルは、芯線が1本しかないので戸惑いますが、上記の内容で焦らずに対応してみましょう。

それではまた、ご安全に!

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