知識・疑問

【2023年版】電気工事士、電気設備技術者におすすめの書籍、技術本17選を紹介!設計、保守管理の方にも

2023年9月12日

技術者は生涯勉強と言われるように、電気工事における技術と知識量は膨大なものです。

特に初心者や新入社員は右も左もわからず、誰も教えてくれないといった環境の方もいるのではないでしょうか?

基本知識を身につけたベテランでも、全ての法令や知識を頭に入れることは不可能ですので、都度調べたり確認をすることになります。

基本的には、現場や実務で得る技術や知識が一番の収穫になりますが、現場や実務をきっかけとして「なぜ」を追求して調べることはとても重要な作業です。

インターネットが普及した便利な世の中ですが、まだまだネットにはない情報が書籍にはあります。

そこで本記事では、電気工事士として職人で働かれてる方や、電気施工管理業務、電気設備設計に従事されている方、また電気主任技術者のような保守業務をされている方向けに、おすすめの書籍を紹介いたします。

初心者からベテラン向けまで幅広く紹介していきますので、ぜひご覧ください!

この記事をおすすめしたい人

  • 電気工事士、電気工事施工管理技士、電気設備設計者、電気主任技術者の方
  • 初心者や新入社員で、早く仕事を覚えたい人
  • ある程度仕事は覚えたけどさらにスキルアップしたい人
  • 仕事中、「なぜなぜ」にたくさん直面し、好奇心と向上心がある人

 

職種関係なく是非持っておきたい法令、規程関連書籍

絵とき電気設備技術基準・解釈早わかり 2023年版

「電気設備技術基準の解釈」は、経済産業省から発信されているもので、省令である電気設備技術基準から施工の部分をより具体的に定めています。

省令を具体化したものですので電気工事における「法律」「決まり」と思ってもらえればと思います。

電気設備技術基準の解釈」は、条文が並んでいてとっつきにくいですが、「絵とき電気設備技術基準・解釈早わかり」はイラストを使いながらわかりやすく解説されています。

また、第1章からはじまり全ての条文について解説していますので、「電気設備技術基準の解釈」を見なくてもこの本をめくれば解決できます。

内線規程 2022年版

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内線規程は、電気工事のバイブル的な存在です。

「電気設備技術基準の解釈」を補完するものとして、解釈に示された内容をより具体的に定めるとともに、電気工作物の工事、維持及び運用の実務に当たって、技術上必要な事項を細部にわたり規定した民間自主規格です。

法的強制力はありませんが、事実上、電気工事の施工の根拠となるものです。

施工のみではなく設計的な部分もかなり詳細に書かれていますので、実際に施工、設計に従事する人は内線規程を参考にします。

この施工や設計大丈夫かな?と自分で疑問に思ったら都度チェックするぐらいが良いかと思います。

公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編)令和4年版

公共建築工事標準仕様書は、名前のとおり公共工事と呼ばれる役所仕事をする際に必要になります。

公共工事を請け負う際は、設計図や仕様書を作成しますが、本書に準ずる形で作成しなければいけません。

施工、仕様以外にも管理面や検査事項についても記載されています。

民間工事とは異なる特殊なルールもありますので、公共工事の場合は必ずチェックが必要です。

基本的には、電気設備技術基準や内線規程を元に作られていますが、内容的には本書のが前の二つよりも厳しい基準となっています。

また、内線規程には規定されていないケーブルラックやインサート、スリーブ工事の施工要領についても記載していますので、内線規程で定めがない場合は本書を開いてみるのも良いですね。

電気工事士が慣習的に行っている施工が、意外と本書が根拠だったりしますので面白いですよ。

高圧受電設備規程JEAC8011-2020

高圧受電設備規程は、内線規程の高圧版といったところです。

内線規程と同じ、一般社団法人日本電気協会から出版されています。

内容は、高圧受電設備の施設における基本事項から、各高圧設備の設置基準と詳細に規程されています。

高圧設備を詳細に規程しているものは他にないので、電気主任技術者はもちろん、高圧設備を設置、改修する電気工事士や現場代理人にとっても重要となる書籍かと思います。

電気工事士におすすめの書籍

現場がわかる!電気工事入門 ―電太と学ぶ初歩の初歩―

本書は、初歩の初歩の名前の通り初心者向けの書籍です。

電気工事を始めたばかりの方は、現場の雰囲気もわからず、そもそもどんな仕事内容かも把握できていないと思います。

そんな方は本書をザッと一読すれば、「電気工事がどんな仕事か」がわかります。

内容は、漫画形式で新人の電太とその先輩や上司が一緒に仕事をし、電太が疑問を投げかけたり間違った施工を指摘されるといった構成です。

技術的、ノウハウ的な部分も記載がありますので初心者にはおすすめの一冊です。

百万人の電気工事

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本書は、電気工事における実際の実務に必要なスキルが写真やイラストで説明されています。

電気工事実務の技術関連では唯一の書籍かと思います。

各工事の施工方法や測定器の使用方法まで網羅されています。

初心者の方にはもちろんおすすめですが、ベテランの方でも「なるほどこういう方法があるのか」などの気付きがあるかもしれませんね!

電気設備施工管理技士(現場代理人)におすすめの書籍

現場がわかる!電気工事現場代理人入門ー香取君と学ぶ施工管理のポイントー

本書は、現場代理人や施工管理業務の初心者向けの書籍になります。

初めは施工管理ってピンとこないですよね。

職人さんが作業すれば現場は終わるんじゃないの?なんて思ったりですね。

本書の内容は、施工管理実務が漫画形式で書かれています。

香取君とその先輩と上司が一緒に仕事をしながらポイント解説するといった構成です。

電気工事現場チェックの勘どころ ポケットハンドBOOK

こちらは、大手電気サブコンのきんでん(株)が監修した書籍です。

施工管理の5大管理の一つ「品質」について、現場で気付くべきポイントが記載されています。

施工管理は管理をする仕事ですから、施工を職人さんに任せきりではいけません。

現場を巡回して、「接地は適正にとれているか」、「鉄骨スリーブの経路は問題ないか」、「インサートは施工図通り施工されているか」、「キュービクルの離隔距離は問題ないか」などなどをチェックしながら見回る必要があります。

本書は、チェックポイントやトピック集がわかりやすく記載されています。

また、ポケットサイズですので胸ポケットに常に入れておいて、現場巡回しながらチェックすることもできるのでおすすめです。

新編電気設備工事施工計画書集成(現場実務シリーズ2)

民間、公共工事問わず、施工計画書は必ず作成しますね。

お客様に工事内容を説明する重要な書類です。

電気設備工事施工要領(改定第4版)(現場実務シリーズ3)

施工管理の仕事は、施工計画書とは別に施工方法を詳細に記した「施工要領書」を作成する必要があります。

設計図や施工図ではわからない部分を詳細にし、工事業者への的確な指示と客先承認を得る目的で作られます。

特に公共工事では提出が求められます。

本書は、各工事についての施工要領が図と共に記載されていますので、そのままテンプレートとして使用できます。

テンプレートがあるとはいえ書籍を見ながら一から作成が厳しいという方は、少し高額ですが「電気設備工事 施工要領 PDF・CADデータ」がおすすめです。

電気設備設計者におすすめの書籍

建築設備設計基準 令和3年版

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建築設備設計基準は、電気設備設計のバイブル的な存在です。

電気設備設計においては最強かと思います。

電気設備については、照明照度計算、短絡遮断容量計算、高調波計算、電路計算、非常用発電機計算などなど、あらゆる電気設備設計に必要な機器やケーブルの算出方法が網羅されています。

国土交通省監修ですので、各計算の算定根拠にもなります。

ちなみに、電気設備以外にも空気調和・換気設備、給排水衛星設備、自動制御設備も一緒になっていますので、設備設計全般に使用できます。

建築設備設計計算書作成の手引き 令和3年版

本書は、建築設備設計基準を補完するものです。

建築設備設計基準の計算例や算出方法を詳細に記載し、編集されたものです。

また、各算出式の計算様式や算定書が載っていますので、計算をエクセルで自動化したい場合などはテンプレートとして利用できます。

絵とき電気設備の設計•施工実務早わかり

本書は、電気設備設計のどちらかというと入門書になりますが、基準となる理論等が網羅されているためベテランでも手元に置いてる方が多いです。

絵や図が多いためイメージしやすく、かなり優秀な書籍かと思います。

また、同時に施工面についても記載されているため、施工側を考慮した設計を学ぶことができおすすめです。

建築消防advice2023

本書は消防法についてわかりやすく解説しており、消防法の書籍では最強だと思います。

消防法は設置基準等が複雑で、言い回しもわかりにくいのですが、本書は網羅的に解説してあり、各事項についてアドバイス的に記載してあるので頭に入りやすいですよ。

実は、電気設備と消防設備は密接な関わりがあり、消防設備の施工や設計は電気側に含まれます。

設計であれば電気設備設計が消防の設計を行い、施工であれば電気設備施工会社の下に防災会社が入ります。

つまり、電気設備技術者も消防設備の知識を持つ必要があるということです。

実際に、火災報知器や誘導灯などの消防法に設置基準が規定されているものもありますし、他の消防設備と電気設備との取り合いの確認もできます。

電気設備設計者には必携の一冊でしょう。

電気主任技術者(設備管理)におすすめの書籍

大写解 高圧受電設備:施設標準と構成機器材の基本解説

高圧受電設備って最初は本当にイメージし難いですよね。

機器がたくさんあって、配置もごちゃごちゃしてて役割もよくわからない。

そんな方におすすめなのが本書となります。

各機器の写真が乗せてあり、役割と構成が記載されてますので、最初のイメージのとっかかりとしてはぴったりの書籍です。

保守管理のみならず、第1種電気工事士を勉強中で高圧でつまずいてる方にもおすすめです。

イラストでわかる電気管理技術者の100の知恵

本書は、イラストを使って電気設備に関する知識や技術を教えてくれます。

新人の電気管理者が疑問を問いかけ、ベテランが丁寧に解説するといった構成で、実際に教えてもらう感覚になりますのでとても頭に入りやすいです。

実際に筆者が経験した事例もとに解説していますので、なかなか経験できない事柄も知れてどんどん読み進めたくなります。

電気室を歩いてみたり、キュービクルの中をのぞいてみると、理論と現場が一致せずに「なぜ」がいっぱい生まれますよね。

本書は電気設備に関する「なぜ」を解決してくれる、本当に面白い書籍です。

高圧受電設備の保守管理(第2版)

高圧受電設備の保守に関する要点がまとめられている、かなり実務寄りの書籍です。

メンテナンスや点検方法の技術やそれに必要な知識が記載されています。

電気主任技術者、設備管理の方は必携です!

さいごに

今回は、電気の職種別におすすめを紹介しましたが、電気設備技術者は職種関係なく共通する部分がありますので、気になる書籍はチェックしてみてくださいね。

例えば、電気工事士も元請けになれば、計画書などの書類作成や設計をすることもあるでしょう。

施工管理や設計の方は、電気工事士が行う施工内容が理解できないと、適正な管理、設計ができません。

また、高圧設備に関しては施工、設計、保守の全ての職種が理解しておくべき事項です。

このように、関連性がありますので、少しずつでも書籍を使って知識を身につけて電気のスペシャリストを目指しましょう!

それではまた、ご安全に!

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