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【回路計】電気工事のおすすめマルチタスター5選!使い方も紹介!【計測器】

2022年10月1日

マルチテスター アイキャッチ

電気工事に使用するマルチテスターについて紹介したいと思います。

色々な種類のあるマルチテスターですがどれを選んでいいかわからないという方のために、特に電気工事で使用されるマルチテスターを5つ選んでいます。

また、機能がたくさんあるのは知ってるけど使い方がわからないという方もいるかと思いますので、現場での使い方を紹介していきます。

もちろんご家庭でのコンセント電圧測定などのDIYにも活用いただけます。

電気工事では必須の多機能アイテムですのでぜひご覧ください!

この記事でわかること

  • マルチタスターとは何か?
  • マルチテスターの機能と使い方
  • おすすめのマルチテスター

マルチテスターとは?

マルチテスターは「回路計」のことです。現場では単に「テスター」と呼ばれることが多いです。電気工事業界で「テスター」と言えばマルチテスターと捉えて問題ありません。

現場では主に二つの機能「電圧測定」「導通チェック」を使用しますが、他にも抵抗値のチェックや静電容量が測れたりと万能テスターです。

電気屋さんが腰道具に常備するほどの必須の計測器になります。

電気工事ではどんなテスターを使用する?

電気工事士は常にテスターを常備していますので、持ち運びに便利な小型のタイプがおすすめです。

腰道具にすっぽりと入るようなカードタイプや、胸ポケットにさせるようなペン型の利用率が高くなっています。

また、施工が完了した後、コンセントやブレーカー回路の電圧の測定値を記録表として提出しますので正確さが求められます。そのため、数値としてはっきりと表示されるデジタルタイプがおすすめです。

機能としては最低でも「電圧測定」と「導通チェック」、それから「抵抗値測定」も個人的には必須機能かなと思います。

電気工事士が使うテスターの特徴

・カードテスターなどの小型のもの

・デジタル表示タイプ

・電圧測定・導通チェック・抵抗値測定の機能が最低でもあるもの

おすすめマルチテスター5選

テスターも多数の種類があり、中には電子系によく使われるテスターもありよくわからないかと思います。

そこで、電気工事に特化したおすすめマルチメーターを紹介します!

電気工事士の職人さんから、日常点検をする方まで使用できますので参考にどうぞ!

HIOKI(日置電機)3244-60デジタルマルチメーター

電気工事士の大定番です。現場ではかなりの確率で使用されてるイメージです。

カード型でコンパクトで何より軽いのが最大の特徴です。そして最低限の機能のみが備わっていて価格が安価!

オートパワーオフですのでいつのまにか電池がなくなってるといった心配がいりません。

プラスチックのケース付ですので動き回って損傷させるリスクも少ないので職人さんにもピッタリです。

本当に最低限の機能で安価に手に入れたいという方におすすめです。

特徴

・電気工事の定番

・ケース付で損傷に強い

・最低限の機能なので現場の職人さんにおすすめ

共立電気計器KYORITSUデジタルマルチメータ KEW1019R

こちらも定番商品です。3244-60と価格帯は変わりませんが、機能としては3244-60の上位版といえます。

最低限の機能に加えて静電容量測定機能が備わっています。ただ、電気工事ではあまり静電容量を測定することはありませんが。

また、3244-60と大きく異なる部分は「真の実効値」を測定できるところです。

インバーター機器等を多く扱う建物ですと高調波を発生し電圧波形が歪みます。

歪んだ波形は正確な数値ではありませんが、こちらのテスターは「真の実効値」という正確な数値を表示させます。

それから比較測定機能(REL機能)が備わっています。一度測定した測定値を記憶し、次の測定値との比較表示ができます。

ハードケースですがかなり頑丈な作りで、スライドタイプとなっています。左にスライドし後ろにたたみこむ作りでかなり使い勝手が良いです。

ただ、3244-60と違いテストリード線がハードケースから出ていますので保護されない点がマイナスでしょうか。

特徴

・静電容量測定機能

・比較測定機能

・真の実効値対応

共立KYOURITSU KEWMATE2001A

こちらはなんと電流クランプ付のマルチメーターです。小さなクランプで電流が測定できてしまいます。

それなのに他のテスターと変わらずポケットサイズ!

クランプはくわえるタイプではなくUの字になっていますので狭い盤内や細い電線の測定におすすめです。

最大60Aまでの測定ですので大電流は測定できませんが、活線状態の回路チェックや制御盤内の電流値測定に重宝します。

他にも周波数の測定機能が備わっています。

制御盤の改造を行う計装工事を強みにする電気屋さんが使っているイメージですね。

そして多機能だけあって価格は高め設定です。

特徴

・電流値が測定できる

・制御盤を触る方におすすめ

日置電機DT4223デジタルマルチテスター

こちらの最大の特徴はCATⅣに対応している点です。

CATとは測定カテゴリーのことで測定できる箇所がレベルで定められています。

例えば測定範囲が600Vだからといって600V以下ならどこでも測定できるわけではありません。

電源側(高圧側)に近くなる程、たくさんの負荷をかかえるため突発的な電圧が発生するリスクがあります。

DT4223は最高カテゴリーですので変電するトランス二次側直下や配電盤ブレーカーの一次側を測定可能です。

とても安全なテスターです。

測定カテゴリⅡコンセントに直接接続する機器の電源プラグから機器の電源回路まで
測定カテゴリⅢ分電盤から電力を直接取り込む機器(固定設備など)の電源配線と電源回路、および分電盤からコンセントの裏側の配線端子までの配電路
測定カテゴリⅣ建造物への引き込み電路、引込口から電力量メータおよび分電盤までの電路

参考:日置電機

CATⅣは大型のものが多いですがこちらは手のひらサイズで持ち運びにも便利です。

高圧の受変電設備の保守をする電気主任技術者さんや受変電設備の改修を頻繁に工事する電気工事士さんにおすすめなテスターとなっています。

特徴

・CATⅣに対応

・受変電設備工事に携わる方におすすめ

日置電機3246-60ペンシルハイテス

こちらはペン型のテスターです。

ペン型ですのでポケットや工具入れなど収納性は抜群です。

ポローブの片方がペンの先端についていますので、持ち手が二箇所ですので測定の際にカード型より安定します。

そしてこちらも実はCATⅣ対応(キャップ取付、300V)

電圧測定、導通チェック、抵抗測定はもちろんのことダイオード測定機能も備わっています。

特徴

・ペン型

・持ちやすく安定する

マルチテスターの機能と使い方

交流電圧測定

交流電圧測定方法

電気工事で扱う電圧はほとんどが交流です。

コンセントや照明器具、電動機などなど低圧ですと使用電圧が100Vと200Vがあります。稀に400Vの動力を扱う物件もありますね。

電圧測定する目的は二つあります。

①「測定値を報告書に記録」する場合と②「確実な検電」です。

①は正確な値を測定できるテスターを使い電圧測定し報告書に記載します。

②は検電器で検電する場合、稀に誘導電圧で反応する場合があります。そこでテスターを使うことにより確実に何ボルト電圧がかかっているか確認することができます。0ボルト表示であれば無電圧を確認できます。

交流の電圧測定方法ですが、まずレンジを〜Vに合わせます。正弦波交流の波、ボルトのVと覚えるとわかりやすいですね。

次に黒と赤、2本のプローブを電圧測定したい対象物に当てるだけです。とても簡単ですよね。

テスターは検電器と違い導通部の導体に直接あてなければいけません。

コンセントの場合はしっかりと奥まで差し込むようにしましょう。

測定方法

①レンジを〜Vに合わせる

②測定対象に赤と黒のプローブを当てる

③測定値を読む

電圧測定の注意ポイントですが、ブレーカーの銅バーを測定した際に両プローブの露出部が接触し短絡事故などの事例があります。

銅バーで測定すると滑って相間短絡する危険性がありますので、基本的には銅バーではなくブレーカーの端子部分で測定するようにしましょう。

どうしても銅バーで測定しなければならない状況の際は、プローブに絶縁キャップを付けて測定しましょう。

また、テスター本体に測定範囲が記載されていると思いますが低圧しか測定できません。

高圧を測定してしまうと、テスターの内部抵抗が低すぎて短絡状態と同じ状態となりますので当然ながら短絡します。

テスターを焼損させるだけでなく感電事故になりますので高圧電路には絶対に使用しないようにしましょう。

注意ポイント

・ブレーカーは端子のビス部分で測定する!

・高圧電路には絶対に使用しない!

また、各コンセントの電圧、極性の調べ方は下記記事で紹介していますので参照ください。

【測定】コンセントの電圧測定と極性の調べ方!使用前点検の方法を解説!

直流電圧測定

直流電圧測定方法

直流電圧測定の使用頻度は交流に比べると低いかと思います。

太陽光発電設備のモジュール開放電圧や計装工事の信号電圧を測定する場合に使用します。

DIYでも乾電池の測定に使用できますよ。

測定方法ですが、まず直流の記号に合わせます。Vの上に直線のマークの記号です。

直流は波を打たず電圧が一定と覚えるとよいかと思います。

次にプローブを測定対象に当てて測定値を読むだけです。

注意点は直流の場合は極性がありますので、逆に当てるとマイナス表示されます。

赤いプローブがプラス(正)、黒いプローブが(負)です。

設備側は制御盤のパワーサプライなどは+V、-Vと表示されていますのでわかりやすいですね。

制御盤内の端子台や太陽光発電設備の直流ブレーカーはP、Nの表示ですのでPがプラス、Nがマイナスとなります。

正しくプローブを当てているのにマイナス表示されている場合は設備の結線が逆となっていますので確認しましょう。

測定方法

①レンジを直流電圧測定(直線V)に合わせる

②測定対象に赤と黒のプローブを当てる(+が赤、−が黒)

③測定値を読む

抵抗値測定

抵抗値測定は測定した対象物がどれだけの抵抗があるか、要はどのくらい電気が流れにくいかを調べるものです。

電気工事では線間絶縁抵抗ができない回路の短絡状態を調べる重要な機能となっています。

抵抗値測定の重要性についてはこちらで解説していますので参照ください。↓

【知識】絶縁抵抗測定だけでは不十分?回路の短絡状態を調べる方法

測定方法はレンジをΩのマークに合わせ二つのプローブを当てるだけです。

極性はありませんのでどちらがどちらでも問題ありません。

測定方法

①レンジをΩに合わせる

②測定対象に赤と黒のプローブを当てる

③測定値を読む

導通チェック

導通チェック方法

導通チェックは電気工事作業際に頻繁に使用する機能ですね。

抵抗測定の音が鳴るバージョンみたいな感じです。

対象物に両プローブを当て、一定の抵抗値以下の場合「ピー」と音がなります。

要はプローブ間が導通(接触)している間は音がなっているということです。

大量に配線したケーブルに名称記載を忘れた時などにケーブルの判別に使用されます。

極性はありませんのでどちらを当てても問題ありません。

測定方法

①まずレンジを導通チェックに合わせます。

②次に両プローブを接触させ音が鳴ることを確認します。

③ケーブルの先端と先端で二手に分かれ、片方の先端のケーブル導線部に両プローブを当てます。

④もう片方の先端のケーブルを接触させたり離したりして、接触している時だけ音がなればそのケーブルと判断できます。

マルチテスター使用の注意点

先ほども紹介しましたが、測定範囲がありますので高圧電路には使用してはいけません。

また、カテゴリー(cat)のレベルがありますので電圧がクリアしていても測定できない範囲がありますので注意です。

電圧測定など活線になる部分は滑らないように端子のビス部分で測定するようにしましょう。

マルチテスターは多機能テスターです。

各測定レンジがありますので、特に抵抗レンジで電圧を測定した場合などは故障の原因となりますので、測定前にレンジがどこに合っているかの確認をしましょう。

最後に

いかがでしたでしょうか。

マルチテスターは電気工事の必須の計測器となりますので、本記事が現場の参考になれば幸いです。

それではまた、ご安全に!

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