電気工事の設計図や施工図を見ていると必ず出てくる「GL」「FL」「SL」といった記号。なんとなくで理解していませんか?
この数値を読み違えることは、スイッチの高さやコンセント位置のミスに直結します。
今回は、それぞれの定義と現場で役立つ活用ポイントを徹底解説します。
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建築用語の高さ基準:基本の「3大レベル」

まずは、それぞれの言葉が指す基準地点を整理しましょう。
それぞれにレベルとつきますが、建築用語で高さのことを「レベル」といいます。
「ここの高さ」を「ここのレベル」と言ったりしますね。
GL(Ground Level):地盤面
GLはグラウンドレベル、現場では普通に「ジーエル」と呼びます。
建築物建設地の地盤面、あるいは建築基準法で規定される地盤面を指します。
いわゆる「地面」の高さであり、全ての高さ基準の起点となる建築的には最も重要なラインです。
具体的には、アスファルトやコンクリートの外構の仕上げ面です。
電気工事においても、ハンドホールの据え付け等、外構工事の場合はGLを基準に施工をします。
FL(Floor Level):床仕上り面

FLはフロアレベル、現場では「エフエル」と呼びます。
電気工事では機器設置等の基準として、最も使用される重要なレベルです。
床の仕上げ材(フローリングやタイルなど)を含めた最終的な仕上がり高さです。
スイッチやコンセントの高さ(FL+1200mmなど)を決定する際、必ずこのFLを基準にします。
建築の断面図では慣用的に各界の基準床の高さを指します。
電気の系統図も同様で、1階の基準床を「1FL」、2階の基準床を「2FL」と表します。
SL(Slab Level):スラブ面(構造躯体面)
SLはスラブレベル、現場では「エスエル」と呼びます。
コンクリート打ちっぱなしの状態の床面(構造床)を指します。仕上げ材の下にある「下地」となる面です。
構造体の床で内装床の高さではありません。
なぜこの「違い」が電気工事で重要なのか?
電気工事での、配線やボックスの建て込み、盤の設置等の施工を行う際は、必ず「施工図」を元に施工をします。
施工図には、 機器等の高さが「FL+~」と記載されています。
これを元に施工をしていきますので、GL、FL、SLが何を指しているのかがわからないと施工ができません。
建築の基準高さ面の明示場所について

施工図に記載されるFLですが、実際の現場ではどこを基準にすればよいでしょう。
現場で、このFLの高さを確認する方法ですが、上の画像のように柱や壁に明示されています。
(躯体が出来上がった段階で墨出し屋さんが墨出しします)
柱にマキベエなどの耐火被覆材が巻き付けられている場合は隠れているので、マキベエをめくって確認します。
基本的には「FL+1000」といった表示がされているので確認しましょう。
例えばコンセントの高さがFL+300の位置であれば、FL+1000の基準墨から700を引いた場所がコンセントの設置位置です。
【現場目線】間違いを防ぐための確認ポイント
内装はFL、外構はGLを確認する
施工図を確認する際は、必ず「FL」「GL」という文字を見落とさないようにしましょう。
内装においては、スイッチ、コンセント、分電盤などの設置位置が記載されていますので、施工図の「FL」を元にボックスの仕込み等をします。
外構においては、ハンドホール、地中埋設配管、外灯などの仕上がりを「GL」から確認します。
他の建築物や設備に干渉する場合もありますので、その場合は現場監督に相談してください。
電気設備以外の「FL」も役に立つ
建築物や設備等の「FL」も電気工事において重要になってきます。
配線や電線管敷設、ケーブルラック敷設を施工する際は、「設備図」を手に入れてください。
空調のダクトや水が通る配管は、電気配線に比べて融通が利かないので、ダクトや水配管が優先されることが多いです。
そのため、先行で配線をし、あとからダクトなどが干渉する場合は、やり直しさせられることもあります。
必ず設備のFLを確認し、配線やケーブルラックが干渉しないように施工しましょう。
【豆知識】
ダクトや配管の「FL+~」がどこを指すかは図面を書く人によって違いますので必ず「凡例」を確認しましょう。
ただし、一般的には角ダクトは底(下端)、丸ダクトを芯のことが多いです。
また、配管についても給水管などの圧力管は芯を基準、勾配配管は底を基準とすることが多いです。
・底(下端)基準・・・角ダクト、勾配配管
・芯基準・・・丸ダクト、一般配管
躯体工事時の「基準墨出し」
コンクリート打設前に配管を仕込む際は、現場監督から提示される「基準墨(SL+1000mmなど)」を活用します。
この際、SLからの距離を計算し、仕上げ厚を引く(あるいは足す)というステップを確実に行うことが重要です。
仕上げ材の仕様書をチェック
ほとんどの床の仕上げは、フローリングやビニルシート、タイルカーペットなど、数ミリ程度のものなので、SLとFLが大きく変わらないのでSLを基準にしても大きな問題にはなりにくいです。
しかしOAフロアや造作床等を採用し、床がかさ増しされている部屋では、FLが大きく上がります。
コンセント等の機器において、FLの高さをしっかりと確認せず、躯体面(SL)から寸法取りしてしうと、例えば床が200mm上がった場合は、コンセントが200mm低くなるといった大惨事になりますので注意しましょう。
まとめ:レベルを制する者が現場を制する
GL、FL、SLの違いを理解することは、電気技術者としての「図面を読む力」のベースになります。
- GL = 地面の高さ
- FL = 最終的な床の高さ
- SL = コンクリートの床高さ
この3つを常に頭に入れ、図面と現場の実測を照らし合わせる習慣をつければ、施工ミスは激減します。