施工要領

【施工】電線管配管の施工ルールを徹底解説!確実な入線と手戻りを防ぐポイント

電気工事の現場で避けて通れないのが「電線管の配管作業」。一見、ただ管を繋いでルートを作っているだけに見えるかもしれませんが、実は内線規程(JESC)によって細かく施工ルールが定められているのをご存知でしょうか?

「なんとなく」で配管してしまうと、いざケーブルを入線するときに「引っかかって通らない!」といった最悪の事態になりかねません。

また、工事屋さんとして施工管理の監督としても、ルールをしっかりと把握し、施工が正しくされているかを

チェックする場合、知識は必要になってきます。

そこで今回は、内線規程に規定されている電線管敷設の重要ルールを、現場目線で分かりやすく網羅解説します。これさえ読めば、手戻りのない完璧な配管計画が立てられるようになりますよ!

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1. 【最重要】屈曲箇所の制限(内線規程3001-1節・3001-6節等関連)

配管ルートを決める上で、最も厳しく管理しなければならないのが「曲がりの数と角度」です。

1区間の曲がりは「3箇所(270度)以下」が基本

内線規程では、ボックス間(または盤〜ボックス間)の電線管の屈曲について、原則として「3箇所(270度)以下」にすることを推奨しています。

ただし、太いケーブルや長距離配管の場合は、実務上「2箇所(180度)以下」を目安にプルボックスを配置するのが安全圏です。

経験上、3直角以上になると著しく通線が厳しくなりますので、2直角を推奨します。

屈曲半径(R)は「管内径の6倍以上」

管をベンド加工(折り曲げ)する際、急激な角度で曲げてはいけません。

  • 原則: 管の内径の 6倍以上 の緩やかな半径(R)で曲げること。
  • 例外: 短い区間や、電線を容易に引き入れられる構造の場合は、4倍まで緩和されることもありますが、基本は「6倍」と覚えておきましょう。

例えば、薄鋼電線管E25を使用する場合、内径は23mmとなりますので、ノーマルの半径は138mm以上必要になります。

既製品で販売されているノーマルベンドは、この「6倍」の規定をクリアしているので気にする必要はありません。

ベンダーを使って曲げ加工をする場合は配慮する必要がありますが、あまりきつく曲げると配管がつぶれるので、つぶれないように曲げ加工をするば自然と6倍以上の曲がりになります。

2. 太さと本数の制限、管内断面積の許容率(内線規程3110-5・3165-1)

「管の中に通せるだけ電線を詰め込んでもいい」わけではありません。電線が詰まりすぎると、熱がこもって許容電流が下がったり、入線時に被覆が破れたりします。

内線規程では、管の断面積に対して電線(被覆を含む)の総断面積が占める割合(占有率)が以下のように定められています。

電線の条件許容占有率(管内断面積に対する割合)
同じ太さの電線を複数本通す場合48% 以下
異なる太さの電線を混ぜて通す場合32% 以下
電線が1本のみの場合48% 以下(実務上はより余裕を持つ)

ただし、この占有率の規定は「絶縁電線」に対するものなので、ケーブルに適用されるものは「ケーブルの仕上がり外径の1.5倍以上」の電線管を使用します。

工事で使用するものはほとんどがケーブルになりますので、この1.5倍以上が重要になります。

※距離が長かったり、曲がりが多い場合は、実務的に1サイズ大きいサイズを選定すると入線トラブルが激減します。

電線管サイズの選定方法は下の記事で詳細に説明していますので参照ください。

【設計】電線管のサイズ選定方法を解説!計算方法は電線とケーブルで違う?

3. 支持点距離のルール(管の種類別)

電線管は、管を固定する位置の間隔が規定されています。

各電線管の支持点間

電線管が自重や入線時の張力で垂れ下がったり変形したりしないよう、適切な間隔でサドルや吊りボルト等で支持(固定)する必要があります。

管の種類によって、最大支持点距離が厳密に決まっています。

電線管の種類最大支持点距離備考
厚鋼電線管 / 薄鋼電線管 (金属管)2.0m 以下ボックス直近(30cm以内)も確実に固定
VE管 (硬質塩化ビニル電線管)
EP管 / PF管 / CD管 (可とう電線管)
1.5m 以下可とう電線管はたわみがでるので1m以下推奨

金属製可とう電線管の場合にはほかに細かい規定(内線規程3120-5表)がありますが、基本的には「金属管は2.0m、樹脂管は1.5m」と覚えておきましょう。

接続部から0.3mルール

金属管、樹脂管ともに「管相互、管とボックス等の接続点及び管端から0.3m以下の箇所で管を固定すること」とされています。

つまり、配管の始まりと終わり(端っこ)から0.3m以下で支持してくださいねということです。

4. ボックスの設置基準(プルボックス・アウトレットボックス)(内線規程3110-8)

電線管の途中に設けるボックス(プルボックス等)にも、設置すべき明確な基準があります。

  • 長距離配管の制限: 直線であっても、配管が 30m を超える場合は、途中にプルボックスを設けて区間を分割しなければなりません。
  • ボックス直近の支持: 電線管がボックスや盤に進入する手前(おおむね 30cm以内)は、必ずサドル等で強固に支持します。ボックスの接続部に負担をかけないための重要ルールです。

5. 接地(アース)と管端の防護ルール

金属管配管を行う場合、電気的な安全性を確保するためのルールがあります。

金属管の接地(3001-11節関連)

  • 使用電圧が 300V以下 の場合:D種接地工事を施す必要があります。
  • 使用電圧が 300Vを超える 場合:C種接地工事が必要です。
  • 使用電圧が高圧の場合:A種接地工事が必要です。
  • (ただし、管の長さが4m以下の場合など、一部条件で緩和されるケースもあります)

管端の防護(絶縁ブッシングの装着)

電線管の切り口(管端)は、バリなどで電線の被覆を傷つける危険性が大いにあります。

そのため、管端には必ず「絶縁ブッシング」を装着し、電線を引き出す際の摩擦や引っかかりからガードしなければなりません。

まとめ:ルールを守ることが、一番の「時短」と「安全」

今回ご紹介した内線規程のルールをまとめると、以下のようになります。

  1. 曲がりは2〜3箇所(270度)以内、Rは内径の6倍以上!
  2. 電線の占有率は48%(異種混在は32%)以下に抑える!ケーブルは1.5倍以上!
  3. 金属管は2m以下、VE管は1.5m以下で細かく支持!
  4. 直線でも30mごとにプルボックスでリスク分割!

現場の状況によっては「これくらい大丈夫だろう」と妥協したくなることもあるかもしれません。

しかし、内線規程のルールはこれまでの電気工事における「失敗とトラブルの歴史」から作られた確固たる基準です。

ルールを徹底して遵守することこそが、結果として手戻りを防ぎ、最もスピーディーかつ安全に竣工を迎える近道になります。

本日も設計から配管まで油断せず、ご安全に!

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