コンクリートビスは、コンクリート面に使う支持材料の中では一番お手軽なものです。
コンクリートが使われている現場や、DIYでも外構ではとってもよく使うビスですよね。
今回は、コンクリートビスの特徴や使い方について説明していきます。
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コンクリートビスとは?
コンクリートビスは、略して「コンビス」や、昔の人は「青ビス」などと呼ばれ、コンクリートやモルタル、ブロックの面に打ち込むことのできるビスです。
現在でもありますが、昔のコンクリートビスは青のメッキが標準だったんですね。
そのような理由から「青ビス」と呼ばれています。
下穴を開けてビスを打ち込むだけの簡単施工ですので、軽いものを支持する際はお手軽でかなり重宝します。
コンクリートビスの特徴と見分け方
コンクリートビスの最大の特徴は、ネジ山が高い山と低い山に交互になっているところです。
一般的に建設業で使用されるコンクリートビスは、ラスパート処理という特殊な表明処理をされており灰色がかった色をしています。
ラスパート処理は、高い耐食性を維持しますので、屋外使用に適しています。
コンビスの特徴
・違う高さのネジ山が交互にきってある
・くすんだ灰色がかった色
・ラスパート処理による高耐食性
・屋外使用に適している
コンクリートビスの使い方
最も一般的に使用する、4mmのコンクリートビスの使い方について説明します。
用意するもの
用意するもの
- コンクリートビス
- 穴あけ工具(ハンマードリルまたはインパクトドライバー)
- 3.4または3.5mmのキリ
- 締め付け工具(プラスドライバーまたはインパクトドライバー)
穴あけ工具とキリがあれば取り付けできてしまいます。
とってもお手軽ですね。
手順①3.5のコンクリ用キリをセット
コンクリートの穴あけにはハンマードリルを使用します。
ハンマードリルは、コンクリート穴あけの専用工具で縦方向に打撃を与えるので容易に穴あけが可能です。
コンクリートビスの下穴には3.4または3.5mmのキリを使用します。
キリをハンマードリルにセットします。
キリの取り付け形状はハンマードリル専用のSDSです。
DIYで作業する方は、あまりハンマードリルを所持していないと思いますが、インパクトで穴あけできるキリも販売されています。
六角ビットになっていますので、インパクトドライバーに取り付け可能です。
ただ、やはりハンマードリルよりも穴あけスピードは劣りますし、年月が経過した硬いコンクリートに対しては苦労するかと思います。
ブロック塀とかでしたら十分穴あけ可能です。
手順②下穴をあける
キリがセットできましたら下穴を開けていきます。
ビスの長さによって下穴の深さは変わってきますが、シビアになることはありません。
穴が深くなる分には問題ありませんので、ビスより深くなるようにだいたいの深さで穴あけをします。
仮に穴が浅くても再度あければ問題ありません。
しかし、あまりないとは思いますが、裏側が仕上げ面であったりと貫通してしまうと問題になる場合は注意しましょう。
また、穴あけの際はビスの角度に注意します。
穴を開ける面に対してキリが直角になるように押し当てていきます。
場合によっては直角が厳しいですが、なるべく直角にしキリに負担がかからないようにしましょう。
斜めになったり、変な方向に力がかかるとキリが折れる原因となります。
3.5mmのキリはかなり折れやすいですので、消耗品とはいえ長く使用できるよう心がけることが重要です。
手順③ビスを打ち込む
支持したいものをビスに通し、下穴にビスを締め付けていきます。
今回は、電線管を支持するサドルベースを取り付けていきます。
プラスドライバーでも問題なく閉まりますが、インパクトドライバーで締め付けると簡単です。
締め付けすぎると下穴が馬鹿になってしまいますので、インパクトの打撃が少しかかったくらいで止めておきましょう。
コンクリートの壁に、サドルベースを取り付けることができました。
これで完成です。
コンクリートビス使用上の注意点
下穴のサイズと深さ
キリのサイズを間違えてサイズを大きくしてしまうと、当然ですが穴が大きくなりビスがスカスカで効きません。
また、穴が深い分は問題ありませんが、ビスの長さより穴が浅いと奥まで締め付けることができません。
そのため、下穴のサイズを開ける前に事前に確認するようにしましょう。
ビスを逆回転で押し込まない
コンクリートビスは、ネジ径4mmですが、下穴は一回り小さい3.5mmとなっています。
一回り小さい穴に、ビスをねじ込んでいくことで、ビス自身で穴の中にネジ山を作ります。
ねじ込む際に、逆回転で締め付けてしまうと、単純にビスサイズの4mmに穴が拡張されるだけとなります。
当然ビスが効かなくなりますので注意しましょう。
意外と気づかずにやってしますことがあるかと思いますので、インパクトの回転方向を確認することをおすすめします。
インパクトで無理に押し込まない
下穴を開けた後、ビスをねじ込む際に硬くて入らないことがあります。
コンクリートの特性上、時間が経つにつれて硬化していきます。
新築の場合は問題ありませんが、何十年と経過している物件ですとコンクリートが硬くくてビスを打ち込むのに苦労します。
そういった場合に、強いインパクトで無理に締め付けてしまうと、ビスの頭がもげてしまったり、ビスがなめてしまったりします。
硬くて入らないと判断した場合は、無理に押し込むのではなく一旦ビスを抜き、再度キリを下穴に挿入して上下に動かします。
若干穴が拡張されたら再度ビスを締め付けてみてください。
また、一度インパクトで負荷をかけたビスはもげやすくなりますので、締め直す際は新しいものに交換することをおすすめします。
あまり重いものは取り付け不可
コンクリートビスの引っ張り強度は数百kgとかなり大きな数字となっていますが、単純に支持できる重量ではないのであてにできません。
一般的にビスで固定できる程度のものしか取り付けできませんので注意が必要です。
電気工事ですと、25φくらいまでの電線管の支持やコンセントボックスの支持、150角のプルボックスくらいでしょうか。
それ以上のサイズの電線管やプルボックス、分電盤を支持する場合は拡張型のアンカーボルトを使用するようにしましょう。
コンクリートビスが効かなくなったときの対処法
上記の注意事項とは別に、何度も取り外したり締め付けたりを繰り返した下穴や、稀に一度も締め付けていないような下穴でもビスが効かないようなことがあります。
ビスがスカスカになっていまい効かないという時は、パットがビスに付属していますのでそれを下穴に挿入します。
パットが手元にない場合は、小さいインシュロック(結束バンド)の切れ端や電線の被覆のクズなどの細くて小さいプラスチック素材のものを穴に入れてあげます。
その状態でビスを締め付けてみてください。
しっかりとビスが効くようになりますので試してみてくださいね!
最後に
コンクリート面のお手軽支持材コンクリートビスの紹介でした。
工事ではもちろん重宝しますが、DIYでもおすすめですので是非使ってみてくださいね。
それではまた、ご安全に!