今回は、VCTケーブルやVCTFケーブルなどの、移動電線に該当するケーブルの剥ぎ取り方法を解説していきます。
電気工事士試験の実技にも出題されないので、なかなか剥き方を習得する機会が少ないですよね。
移動電線は、移動することを前提として作られているのでクニャクニャしていることが特徴ですが、専用の剥ぎ取り工具がなく多少技術を要する部分でもありますので是非ご覧ください。
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VCTケーブルの特徴と剥ぎ取りの際の注意点
VCTケーブルは、他のケーブルと同様に電線の上に更にビニルシースが施されている丸型構造ですが、CVケーブルなどとは違い介在物がありません。
介在物がなく、ビニルシースに電線が密着しているような状態ですので、ビニルシース剥ぎ取りの際にナイフ等の刃を入れすぎるとすぐに電線の被覆を傷つけてしまいます。
そのため、剥ぎ取りの際は十分注意し、電線に傷が付いてないかを確認しながら慎重に行う必要があります。
また、丸型のためVVFケーブルのように縦に裂くことができませんし、CVのようにシースが表面だけではないので、適したストリッパー的な工具がないため剥ぎ取りには一手間かかります。
剥ぎ取り方法
使用する工具は、ナイフまたはカッターを使用します。
今回は、カッターを使用します。
手順① 被覆に一周切れ目を入れる
ケーブルの剥ぎ取りたい位置のシースの外周に切れ目を入れていきます。
あまり力を入れると中の電線の被覆まで刃が入ってしまいますので、刃を軽くあてるような感じで筋が入る程度で問題ありません。
切れ目の入れ方は、上側に半周切れ目を入れたら、カッターの刃が上になるように持ち替え、下側に半周切れ目を入れます。
カッターを軽くケーブルに当てながら、ケーブルを回転させる方法でも大丈夫です。
刃を入れすぎない
手順② 切れ目の部分で折り返す
一周切れ目が入りましたら、切れ目の部分を頂点にしてケーブルを折り返します。
折り返しのケーブルとケーブルの間に人差し指を入れると安定します。
折り返すと、ある程度切れ目から更に切り口が広がっていきます。
手順③ 裂けた部分に刃を当てる
裂けてる切れ目にカッターを当てて、中の電線が見えるまで切り込みを入れます。
勢いよくやると中の電線が傷ついてしまいますので慎重にやりましょう。
折り返しの力があるので、カッターの刃は上から当てるだけで自然とシースが裂けていきます。
刃を横に動かさずに、上から優しく当てるようにします。
なるべく刃を横にずらさない
手順④ 折り返しをずらして繰り返す
電線が見えるまで切り込みが入ったら、ケーブル折り返しの頂点を横にずらして折り返し、上記手順を繰り返します。
何度も折り返して慎重に刃を入れてと少し手間ですが、慣れてくると素早くできるようになります。
ケーブルのシース全周の全てが切れた状態になれば、あとはシースを引き抜けば完成です。
電線の部分の剥ぎ取りは、他の電線同様ニッパーやストリッパーを使用して剥ぎ取れます。
さいごに
この剥き方は、コードやキャプタイヤケーブルに共通する方法ですので、是非使ってみてください。
とても電線に傷がつきやすいですので、最後はしっかりと傷がないかを確認しましょう。
それではまた、ご安全に!