ペンインパクト(ペンドラ)は、DIYや電気工事には必須といっていいほど小型で使いやすいインパクトですよね。
DIYに限らず、家庭でドライバーを使用する機会は少なからずあり、そんな時にはかなり重宝しますので一家に一台は欲しいアイテム。
また、電気工事屋さんは一昔と変わって、もはや腰道具のレギュラー品となっています。
今回は、そんな便利なマキタのペンインパクトを徹底的にレビューしていきたいと思います。

概要•スペック
スペック
商品名 | 充電式ペンインパクトドライバ |
型名 | TD022DSHX |
カラー | 緑、黒、白、オリーブ |
質量 | 0.55kg(バッテリ含む) |
機体寸法 (長さx幅x高さmm) |
227x42x144(折曲げ時) 282x42x52(ストレート時) |
モータ電圧 | 7.2V |
容量 | リチウムイオン1.5Ah |
打撃数 | 0~3,000(min-1)[回/分] |
最大締付けトルク | 25N・m |
機能 | 照射LEDライト・無段変速・正逆転切替 |
付属品 | バッテリBL0715×2本・充電器DC07SB・ アルミケース・プラスビット(2-45 1本) |
1充電あたりの作業量(目安) | |
ø3.1x25mm 約320本 | ø4.1x45mm 約65本 |
ペンインパクトは、インパクトのシリーズの中で最も小型軽量のもので、主にパワーを必要としない軽作業向きにラインナップされているものです。
作業内容や職種によってはペンインパクトで十分対応可能ですので、大型の重たいインパクトを持ち運ばなくてもよく大変人気の商品です。
そのため、プロからDIYまで使用でき利用者が多いことから、インパクトの中では一番販売台数が多い商品となります。
フル充電時の作業量は、カタログでは25mmのビスで320本、45mmのビスで65となっています。
実際に、電気工事でペンインパクトを使う作業を1日行いましたが、十分に持つ印象でした。
ビス打ち作業が続くような場合は厳しいですので、付属の電池パックを充電しておけば交換できます。
付属は電池、充電器、ビットケース
本体ケースは小型のジュラルミンケース風アルミケースです。
シルバーでかっこいいデザインです。

職人さんはペンインパクト本体を腰道具に挿しっぱなしなので、本体ケースは表面のシールを剥がして他の細かい工具入れにする方も多いですね。
付属品は、本体の他に、短いビット、電池パック2個、充電器1個、ビットケースになります。


ビットケースは2段になっていて、上段は仕切りがありますので、上段は細かいビット類、下段はかさばるナットソケットといった使い方ができます。

本体ケースの中と仕切りは、柔らかいクッション素材になっています。
また、本体ケース蓋の裏はポケットになっていますので、小物や図面類を収納できます。


他メーカーと比較
スペック比較
マキタ | パナソニック | ハイコーキ | |
質量 | 550g | 550g | 580g |
機体寸法(mm) | 全長227×全高144×全幅42 (折曲げ時) |
全長235×全高146×全幅44 (折曲げ時) |
全長211×全高166×全幅- (折曲げ時) |
モータ電圧 | 7.2V | 7.2V | 7.2V |
容量 | 1.5Ah | 1.5Ah | 1.5Ah |
打撃数 | 0~3,000回/分 | 0~2,600回/分 | 0~3,000回/分 |
最大締付けトルク | 25N・m | 25N・m | 25N・m |
比較表からわかるとおり、どのメーカーも性能としてはほぼ差はありません。
同じといってもいいほどですね。
充電パックを共有できるもの
マキタ | ・充電式ペンドライバドリル ・充電式クリーナー(掃除機) ・充電式LEDランタン ・充電式ラジオ ・充電式フラッシュライト |
パナソニック | ・ドリルドライバー ・充電式ライト |
ハイコーキ | ・コードレスクリーナー |
比較表からはマキタに軍配が上がります。
充電工具を購入する際、メーカーに拘る理由としては、電池パックを共有できる点ではないでしょうか。
そのため、最初に買ったメーカーの工具を揃えることが多くなりますよね。
しかし、7.2Vに関しては共有できるものが少ないため、電池パックはペンインパクト単体で使用する場合が多い印象です。
最大の違いはトリガー

マキタのトリガーは横移動(回転)、パナソニックは移動(回転)、ハイコーキはボタン式となっています。
パナソニックは、ビスの回転方向と直角の動きですので慣れが必要かと思います。
ハイコーキは、一般的なインパクトに採用されているボタン式のトリガーですね。
そして詳しくは後述するマキタですが、この横移動のタイプが一番使いやすいかと思います。
ここがロングセラーであり、シェア1位の理由かと思いますので、個人的にはマキタのペンインパクトをおすすめします。
レビュー
使い心地
使い心地ですが、トルクが強すぎず弱すぎずのちょうど良いインパクトといった感じです。
大半のビスを締め付け可能ということで、しっかりと締め付け能力はあり、トルクが強すぎないので締めすぎる可能性が少ないです。
トルクが強いインパクトは、強いが故にビスをなめてしまったり、ビスの頭がもげてしまったり、機器を壊してしまったり、ボードが割れてしまったりと回転速度の調整が非常に難しいです。
ペンインパクトの場合は、多少打撃がかかったとしても相手を破損させるといったことが少ないので、力の感覚がわからない初心者の方にもおすすめです。
締め付けが弱いと感じたら、打撃を与え続ければしっかりと締め付けることができますので、問題ないですね。
グリップ性が良く手になじむ

ペン型という名前のとおり、小型ですので手工具を使う感覚で使用できます。
グリップ性が良く、手にフィットし片手作業も楽チンです。
デザインはマキタのロゴが左側にあり、シンプルでかっこいいデザインとなります。
小型軽量で腰道具に標準装備
小型軽量ですので持ち運びに便利で、ズボンのポケットにすっぽり入ります。

また、各腰道具メーカーからペンインパクト用のサックが販売されてますので、標準装備で使用できます。

使いやすいトリガー

トリガーは本体左右に付いていて、上下に動きます。
親指と人差し指をそれぞれに置き、トリガーを回すように動かします。
締め付けるビスを正面から見ると時計回りが締め付け、反時計回りが緩める動きとなり、ビットの回転方向と同じですので直感的に動かすことができて使いやすいです。
両側のトリガーは連動してますので、片側だけを動かして問題ありません。
また、ペンインパクトは無段変速というトリガーの引き具合によって回転速度を調整できる機能が備わっています。
トリガーを動かす際、指を2本使うことで安定しますので、回転速度の調整がとてもしやすいのもメリットです。
次に、一般的なトリガーがスイッチになっているインパクトは正逆転をボタンで切り替える必要があります。
マキタのペンインパクトは、回転方向にトリガーを動かすタイプですので、正逆転を切り替える必要がありません。
誤操作防止スイッチ

腰道具や工具袋に入れていると勝手に動いていることってたまにあるんですよね。
特に工具がたくさん入った工具箱に乱雑に入れておくと、次の日に電池がなかったなんてことも。
長時間使用しない場合は、誤操作防止スイッチを入れておけば安心です。
状況に応じて折り曲げできる

普段使いは折り曲げてピストルのように持つ方が使いやすいです。
折り曲げずにストレートで使うこともできます。
ストレートで使うシチュエーションとしては、機械室や天井裏などの狭い場所や小さな開口部でビスを締める場合や、締めすぎると破損するような器具は最後に手回し(ドライバー)とし、増し締めに使用できます。
照射LEDが嬉しい


インパクトの先端にLEDライトがついていますので、ビットの先端を照らしてくれるのが嬉しいポイントです。
ただ、ほんとに小さな豆粒みたいなLEDですので、真っ暗闇でインパクトのLEDを頼りに作業するのは無謀です。
ちょっと入り込んだ場所など、薄暗いところでビットが照らされる程度ですので、部屋の照度は別で確保しましょう。
ビスやナットのサイズはいくつまで?

木ビスを打つことは十分可能なのですが、ネジ部分が長くなると時間がかかってしまいます。
機器や棚を付ける程度でしたら、2〜3cm程度のビスですので問題ありませんが、それ以上長い大工作業のように木と木を繋ぐために使うビスを打ち込む場合は厳しくなってきます。
【木ビス】
機器や棚を取り付ける程度(2〜3cm)・・・○
木と木を繋ぐ(3cm以上)・・・✖️

軽量鉄骨(LGS)へ鉄板ビスを揉み込むこともできます。
大型のインパクトに比べて多少時間がかかりますが問題なくいけます。
スイッチボックスの建て込みに便利です。
普通の鉄骨や厚みのある鋼材はかなり厳しいです。
その場合は、下穴を開けてから大型のインパクトを使用しましょう。
【鉄板ビス】
・軽量鉄骨(LGS)、鉄板・・・○
・鉄骨、厚い鋼材・・・✖︎

ナットのほうは、17mmのソケットまででしたら十分いけます。
3分のナット(10mm)をよく使用する電気工事にはぴったりですね。
ただ、壁掛け分電盤などの重いものを支持する場合は、スパナ等で増し締めした方が安心です。
17mm超過のソケットになるとトルク的に十分な締め付けができなくなりますので、仮締めには問題ありませんが、本締めをする場合はサイズが大きいインパクトを使用する必要があります。
【ナット】
・3分(10mm)(17のソケット)まで・・・○
・3分(10mm)(17のソケット)超えるサイズ・・・✖︎
他には、家具や機器など、相手側(ビスの雌側)に最初からネジが切ってあるものに対してはペンインパクトドライバーが最適かと思います。
ビスを打つ際に穴を開ける力が必要ないので、むしろ大型のインパクトよりもペンインパクトのが向いています。

ペンインパクトが向いてる作業
電気工事


正直、電気工事に対してはなんでもござれです。
【ペンインパクトを使用する電気作業】
・コンセント、照明器具の取り付け
・レースウェイ工事
・配管工事
・ケーブルラック工事
・プールボックス取り付け、蓋取り外し
キュービクルや分電盤の据え付けのような、強い締め付けがいるような作業以外ではほとんどの作業で使用するのではないでしょうか。
電気工事は、ビスやナットを締め付ける作業が本当に多いです。
ペンインパクトは腰道具標準装備が必須です。
DIYや家具組み立て

家で棚を作ってみたり、ニトリで買ってきた家具を組み立てたりする作業に最適です。
特に、家具組み立てはプラスドライバーに比べて驚くほど早いので感動しますよ!
他にも、家の工具箱からプラスドライバーを取り出す瞬間ってないですか?
ペンインパクトが家に一台あれば作業が大変ラクになります。

ペンインパクトが向いてない作業
大工作業(木工事)

木工事でも棚づくり程度でしたらペンインパクトで対応できますが、間柱を建てたり、ベニア板を貼ったりと長いビスを打ち込む作業には向きません。
電気工事やDIYのように、木に対して機器や棚を取り付ける作業は問題ないですが、木と木をつなぎ合わせるような使い方は厳しいでしょう。
大工さんのような木工事を仕事にしている方々は、18V以上のトルクが強いインパクトを使用します。
長いビスの打ち込みスピードが全然違います。
精密機器の作業

精密機器機器などの、締め付けによる破損が懸念される機器には使用しないようにしましょう。
ペンインパクトはトルクが強くありませんが、薄いプラスチックや基盤など簡単に割ってしまう力はあります。
ちょっとでも打撃がかかるだけで破損するような機器に対しては使用を控えましょう。
口コミ
Amazonのカスタマーレビューより口コミを集めました。
18Vインパクトは高額で重いので7.2Vのインパクトが重宝しているといった意見が多く、商品機能に対して満足されている印象です。
ただ、機能には関係ありませんが、本体ケースの表面のシールが気に入られない方が少数ですがいらっしゃいました。
剥がすか剥がさないかは人それぞれですが、剥がした場合のノリ落としが大変ですね。
【良い口コミ】
手持ちの電動工具の中で、一番使用頻度が高い。
丈夫な上に、価格以上の働きをするのは確か。
パワーも強過ぎず弱過ぎない。
ネジの締緩に限らず、ちょっとした下穴等を開けるのも難なくこなすし、バッテリーの保ちも良い。
これがあるだけで仕事が捗る。
一番買って良かったと思える電動工具。
壊れたらまた必ず買う。
Amazonカスタマーレビュー
18V6.0Aのバッテリーを所有しているのでTD172を検討していたが、試用したところ重さとパワーが手に余った上に高額なので、手持ちの3.6V電動ドライバーの2倍の電圧のこちらを購入。
軽くてスリムなので取り回しが良く、伸ばして良し折って良し。
ケースは専用ではないがコンパクトで、追加のビットまでスッキリ収納できる。
今のところこれで十分足りるが、不足を感じた場合に18Vを検討すれば良いかと思う。
Amazonカスタマーレビュー
【悪い口コミ】
アルミケースに貼られたシールをはがした後の糊取りにうんざりします。
シールも強力な物で剥がした後の糊がなかなか落ちないです。
Amazonカスタマーレビュー
まとめ
強すぎないトルクが丁度良いペンインパクトの紹介でした。
プロ用として電気屋さんにはもちろんですが、ご家庭の軽作業用に1台あると本当に便利です。
メインのメーカーはありますが、個人的には本記事で紹介するマキタ製をおすすめしたいと思います。
トリガーが使いやすくデザインもかっこいいですしね。
必ず値段以上の働きをしてくれますのでおすすめです。
それではまた、ご安全に!
この記事で紹介した商品
