ケーブルラックの施工は、ケーブルの通り道を作る重要な工事です。
電気工事士にとっては大仕事ですね!
ケーブルラックの種類やサイズは様々で、切断して穴を開けて接続してと寸法取りが重要となってきます。
今回は、ケーブルラック工事を施工するにあたり、絶対に知っておきたい寸法取りの方法とラックのサイズ関係を紹介していきます。
実務で役立つものとなりますので是非ご覧ください!
この記事では一般的に使用されることの多い、ネグロス電工のケーブルラックの製品をもとに記載しています。
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ワイドサイズと内面寸法
ワイドサイズ
ケーブルラック幅は200mmから1200mmまでのラインナップがあります。
基本的には、ネグロスの型番からワイドサイズがわかります。
例えばQR20は200mm幅、QR80は800mm幅となります。
この幅の寸法はスケールで計測してもぴったりとなりますので、収まりの確認の際はそのまま当てにして問題ありません。
内面寸法
ケーブルラック の形状から、内面寸法は少し狭くなりますので注意が必要です。
はしご形の場合は20mm、トレー形の場合は10mm狭くなります。
大きな数字ではありませんが、ケーブルラックのサイズ選定の際には気にする必要があります。
親桁の高さ(SRとQR)
ケーブルラックを構成するパーツとして、親桁(おやげた)と子桁(こげた)があります。
親桁は、両サイドに伸びている太い桁です。
子桁は、親桁同士を繋ぐはしごになってる小さい桁の部分です。
ここで、親桁の高さには4種類ほどありまして、SR(70mm)、QR(100mm)、LR(120mm)、15R(150mm)に分けられます。
親桁は、ケーブルラックの厚みになる部分ですので、収めるケーブルの種類によって選定されます。
この中でも、LRと15Rはほとんど使われる機会がありませんが、SRとQRの2タイプがほとんどの現場で使われますので、記号と寸法は必ず覚えるようにしましょう。
SRはVVFケーブル、CVケーブルなどの負荷ケーブルや弱電線用として主に使用されます。
QRは、電力幹線に使用されるCVTなどの太物ケーブル用として主に使用されます。
親桁の高さの寸法は、やはりケーブルラックの収まりの確認で必要になります。
天井裏や床下、壁の貫通など様々な場面で確認が必要になりますが、寸法を記憶しておけば現物がなくても確認ができます。
SR→70mm
QR→100mm
定尺は3000mm、子桁の間隔は300mm
定尺サイズ
定尺(ていじゃく)とは、標準の決まった寸法のことです。
ケーブルラックの長さの定尺は、幅サイズに関係なく3000mmに統一されています。
ケーブルラックを注文した場合、3000mmの長さのものが搬入されます。
定尺を覚えておけば、ケーブルラックを敷設するルートが決まった後、何本使用するかがすぐわかりますね。
子桁の間隔
はしご形のタイプは、アルミニウム素材のものを除いて、幅サイズに関係なく子桁と子桁の間隔は300mmに統一されています。
この300mmという数字は覚えておくとなにかと便利ですよ。
ぱっと見で、子桁の数から×300mmすればおおよそのケーブルラックの長さがわかりますし、寸法取りの際にも役に立ちます。
また、子桁の間隔が300mmですので、切断して半端になる部分は150mmにすると見た目が綺麗になります。(ちょうど半分の位置)
特に、役物(曲がりのラックなど)と接続する部分をなるべく150mmにしてみましょう。
親桁を外から見て、子桁を止めているビスから150mmをあたればちょうど半分になります。
ただ、現場での収まりもありますので、無理に150mmにする必要はありません。
曲がりの450mm
ケーブルラックのルートを90度曲げる際に使用する、「分岐ラック」「エルボラック」と呼ばれるものの、内側の寸法はワイドサイズに関係なく450mmに統一されています。
内側の曲がりが直角のもののみ300mmとなりますが、ほとんど曲がりが曲線のものを使用しますので450mmとの認識で問題ありません。
こちら450という数字もかなり重要ですので覚えておきましょう。
上の画像の通り、内側が直角のもの以外は全て、幅サイズに関係なく450mmであることがわかるかと思います。
どんなシチュエーションで必要になるかと言いますと、例えば3000mmのストレートラックの真物を順番に繋いでいき、曲がり角が訪れたとします。
ほとんどの場合、エルボラックとストレートラックの間のラックは半端な数字になりますので、切断加工が必要になります。
曲がるラインを決めれば、曲がるラインからラックの幅+450を引けば加工するラックの寸法がわかります。
わざわざエルボラインを当てがったり、寸法をあたらなくても寸法取りができてしまいますね。
ダクターチャンネルの寸法取り
ダクターの長さ
ケーブルラックは、ほとんどの場合ダクターチャンネルを使って支持します。
ダクターチャンネルに乗せるような形になるので、ダクターのがラックより長いことは想像ができますが、実際の寸法はどうでしょう。
結論として、ラックから両サイドに100mm出る形になるので、ラック幅+200mm必要になります。
ラックをダクターに支持する「振れ止め金具」と、全ネジのナットを締めやすくする金具「DHUB」の幅と裕度を考慮すると片側100mmくらいが程よく収まります。
ダクターチャンネルの全ネジ用の穴の位置
全ネジを通すダクターの穴の位置ですが、ダクターの横面から25mmであけましょう。
ダクターパンチで穴あけをする際、ダクターパンチの皿に合わせるとちょうど20mmですので20mmにしたくなりますが、20mmですとDHUBがダクターの面から出てしまうことがあります。
DHUBの穴が少し大きめの作りなのでナットを締める前に動いてしまうんですね。
そのため、5mm裕度をもって25mmにします。
まとめ
まとめ
- SRは70、QRは100
- 定尺は3000
- 子桁間は300
- エルボの内寸法は450
- ダクターはラック+200
- ダクターの穴は面から25
今回、紹介した寸法を是非覚えていただければ施工も楽になるかと思います。
この記事がみなさんのお役に立てますと幸いです。
それではまた、ご安全に!