今回は電気工事士の必須アイテム【検電器】の使い方とおすすめアイテムを紹介します。
低圧用の腰道具やポケット等、常備するものの紹介となります。
高圧用検電器についてはこちらを参照ください。↓
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検電器とは
検電器とはケーブル等に直接接触させ電圧の有無を確認する計器となります。
作業する際に活線状態ですと作業者の感電のリスクがあります。
また、活線状態のケーブルを短絡させてしまうとブレーカートリップにより作業範囲外のブレーカー遮断による電源喪失と共に、電流値が高い場合は作業者の怪我等の大事故に繋がりかねません。
さらに活線部分を接地部分に接触させてしまうと地絡事故となり、建屋内の広範囲が地絡トリップによる電源喪失になるというリスクまであります。
そのため、受電している建物は作業前にブレーカー遮断を行い、作業部分の無電圧確認を必ず実施しなければなりません。
検電器のすごいところは被覆の上からでも確認可能というところです。
テスターですと導体に直接プローブを接触させなければ測定できませんが、検電器は電圧数値はわからないものの電圧の有無を簡易に確認できます。
音や光で簡単に確認できますので電気工事士の腰道具に装備する必須アイテムとなります。
おすすめ検電器、迷ったらこれ一択!
検電器には風車式やはく検電器、ネオン式など多数の種類がありますが、電気工事で使用するのは電子式の非接触タイプのものとなります。
ネオン式の検電ドライバータイプは導通部分に直接接触させないといけないため、ケーブルの検電ができません。また、検電部分が活線部と導通するため、誤って触れると感電するリスクがあるため現在はほとんどの現場が使用禁止となっているかと思います。
HIOKI3481
そこで個人的におすすめの検電器はHIOKI3481です。
おすすめポイントその1
検電器の電源ONOFF機能があるというのが最大の評価ポイントになるかと思います。
他の一部の検電器では内部回路が常に導通状態となっていて、放置しておくとわずかに電池が放電し続けていざ使おうとした際に電池切れということがあります。
ほとんどの電池はRL44タイプの電池になりますので、現場に常備してないことが多いので急に電池切れの際はとても煩わしいかと思います。
HIOKI3481はボタンでONOFFが可能です。仮にOFFし忘れたとしてもオートパワーオフ機能搭載していますので自動的に電源OFFします。
そのため電池の持ちはかなり良いです。
おすすめポイントその2
先端がゴムではなくプラスチックですのでコンセントの差し込み口に差し込みやすいです。
これは小さなポイントですがちょっとしたイライラがなくなります。
おすすめポイントその3
活線状態の場合は赤いランプが点滅し、音がなるのでとてもわかりやすいです。
また、電源ON時は先端が白色LED点灯しますので薄暗い場所での作業が多い電気工事においては非常に助かります。
ひとつだけデメリットも
優秀な検電器ですが一つだけデメリットがあります。
それは感度調節のつまみが小さく、小さいプラスドライバーを使用しないと回すことができない点です。
一度調節してしまえばあまりいじる部分ではありませんが、ドライバーをわざわざ用意しないといけない部分は一つデメリットになります。
直流の検電はテスターで
それとHIOKI3481はDC(直流)を検電することができません。
一応、交直両用の検電器はありますが、非接触ではなく検電対象のものが被覆なしの導体である必要があります。
交直両用検電器↓
導体に接触させなければならないのでしたらテスターのが確実ですので、直流の電圧確認はテスターを使うことをおすすめします。
おすすめの電工マルチテスター は下記の記事を参照ください。
検電器の使い方
動作確認
検電前に必ず動作確認を実施します。
電池切れや故障している検電器で無電圧と誤認してしまって事故が起きてしまっては大変です。
電源をON状態にしてLED点灯の確認をします。
そして、既に活きているとわかっているコンセントなりケーブルに検電器を当て動作するかを確認してください。
電源ランプは発光しているが活線状態のランプが点灯しない場合が稀にありますのでこの一動作が重要になります。
検電器を当てる場所
検電器を当てる場所ですが、活線状態の場合に電圧がかかる場所に当てます。
当たり前のことですが、ケーブルやコンセントの電圧がかかる場所をしっかり認識していないと正確な検電ができません。
例えば接地線や単相100Vのニュートラル側(接地側)には電圧がかからないので検電器は反応しません。
しっかりと電圧のかかる場所に検電器を当てましょう。
正しく施工されているコンセントですと右側の短い方の差し込み口が電源側となります。
↑接地側は反応しない
↑電源側は反応する
それから単相100V、200V共にアース側では反応しません。
メーカーによっては3芯のVVFの場合、緑のIV側のシースにラインなどが入っているのでわかりやすいですね。
ラインのある側はアースですので反応しません。
逆側に当てて検電をします。
ただし、メーカーによってはラインのないものもあります。
↑緑のライン側(アース)は反応しない
↑反対側(電源)は反応する
CVやVVRなどは捻ってありますので電源線の場所がわかりません。
ケーブルの当てる場所を変えながら一周当てていきましょう。
電磁誘導作用に注意
稀にブレーカーを遮断したのにケーブルを検電したら検電器が反応するということがあります。
ブレーカーを遮断した回路のケーブルの近くに活線ケーブルがあると、活線ケーブルの影響を受け帯電し対地との間に電位差が発生して検電器が反応します。
その場合は感度調整をしてみましょう。
それでも検電器が反応してしまうようでしたら、ブレーカー等の直接導体と接触可能な場所でテスターで無電圧を確認すれば確実です。
「あれ、なんで検電器が反応するんだろう。活きてるのかな」と混乱してしまわず、冷静に「誘導作用の仕業かもしれない」と対処してください。
最後に
電気工事士の必須道具、検電器でした。
現場によっては検電器の所持チェックされて持ってないと作業させてもらえない現場もあるほど重要な計器となります。
自分の身を守るため、そして設備を守るため、事故を起こさないためにケーブルや機器の作業をする前に検電する癖を付けるようにしましょう。
それではご安全に!
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