天井裏の配線は天井裏に人が登ってしまうのが一番早いのが事実ですが、天井裏が汚かったり暑かったりした場合登りたくないですよね。
ましてや懐がなくて狭い場合物理的に無理ということになります。
特に住宅の1階の天井裏は狭いことがほとんどですので登るなんてとても無理です。
そんな時に使える技術を紹介していきますので是非ご覧ください。
電気工事のお仕事では割と一般的に使われるもので、電気工事が本職のみなさんにはもちろんDIYにも使えますよ!
コンセントや照明の増設、LANケーブルの配線などケーブル配線では共通する技術になります。
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天井裏配線
配線に使うのは以下の二つだけです。
天井裏配線には必須の工具になります。
二つの合わせ技で器用に配線します。
また、配線の前に器具取り付け位置のボード開口をする必要があります。
ボード開口の方法は下の記事をご覧ください。
必要な道具
・マーベル ケーブルキャッチャー
ケーブルキャッチャーは本当に釣竿みたいな構造で段階的に伸縮できるので、狭い天井裏で伸ばしていくことができます。
先端はフックになっていますので、目的のケーブルを上手にキャッチして引っ張ることができます。
まさに釣りそのものです!
また、マーベルの商品は先端にLEDが付いていますので暗い天井裏には嬉しいポイントですね。
現場では「キャッチャー」とか単に「さお」と呼ばれます。
・ジェフコム ジョイント釣り名人
こちらは見た目は単なる棒ですが、既存建物の配線ではかなり使えます。
カーボン製になってましてコシがあるので真っ直ぐに進みます。
しなやかですので曲げようとすれば曲がるといった柔軟性が狭い場所などに重宝されます。
両先端はネジのオスメスになっていますので、状況に応じて何本も繋ぎ合わせ長さ調整可能です。
輪っかのワイヤーが付属していますので、これを先端に取り付けケーブルキャッチャーでキャッチできます。
現場ではそのまま「釣り名人」とか「オレンジ棒」と呼ばれたりします。
配線方法
この方法は二人でやるとスムーズに進みます。一人でも可能です。
①点検口を探す
まず配線の中継点または最終地点となる点検口がどこにあるかを探しましょう。
住宅の場合、点検口は押入れの上だったり、風呂場の上、分電盤の前などにあります。
これがないと正直お手上げ状態となりますが、必ず一個は設けられているはずですので探してみてください。
点検口はメンテナンスの重要部分になります。
覗いてみるとわかりますが、ケーブルのジョイント(分岐)だったりテレビ設備のブースター、LANのHABなどのがあったりします。
また、分電盤に近かったりしますので点検口から分電盤にアクセスするなど、点検口があれば配線はなんとかなります。
②ジョイント釣り名人にケーブルを縛る
ジョイント釣り名人の先端にケーブルを付けておきます。
そこまで強い力はかからないので、ケーブルとジョイント釣り名人を重ね合わせてビニテを巻けばOKです。
ただ外れてしまうと最悪なのでビニテは強めにしっかりと巻いてください。
③開口部分から釣り名人挿入
コンセントやLANを増設したい壁の開口部分から、ジョイント釣り名人のケーブルを付けていない側の先端を上に挿入していきます。
先端には付属の輪っかのワイヤーを取り付けてください。
輪っかは小さいと感じたら自分でIVなどを輪っかにして釣り名人にビニテで取り付けます。
しばらく挿入していくと「カツカツ」と当たる感触がありますのでそこで一旦挿入を止めます。
今天井裏の天井に当たったいる状態ですので少しだけ戻します。
輪っかがあまり高い位置ですとキャッチしづらいですので、天井面から少し出てるくらいがベストです。
ここで二人いれば、一人は天井裏から覗いて丁度良い高さを支持してあげるといいですね。
位置が決まったらその位置で固定します。
一人の場合は床で釣り名人を何かで支えるなど工夫してみてください。
④ジョイント釣り名人をケーブルキャッチャーでキャッチ!
天井裏に出ている釣り名人の輪っか部分目がけてケーブルキャッチャーを伸ばしていきます。
輪っかにフックを上手に引っ掛けます。点検口からの距離が遠い場合、輪っかとフックの距離感がわかりづらいので、天井裏に照明を置くなどして明るい状態で作業すると良いかと思います。
ここが一番の難しいところですが頑張ってキャッチします。
輪っかをひっかけるのどうしても難しい場合は、ジョイント釣り名人付属の輪っかは小さいので、輪っかを自作してみましょう!
自作の輪っかはなんでもいいですが、硬めの電線などを自分の好みの大きさで輪っかにして、ジョイント釣り名人にビニテでしっかりと巻きます。
輪っかをキャッチしたら、ケーブルキャッチャーを縮めながら引っ張っていきます。
引っ張るとき、ケーブルがたるむとフックから輪っかが外れてしまうので、二人いる場合はケーブルをたるまないように軽く引っ張る感じにするといいですね。
点検口までケーブルを引き寄せればこっちのもんです!
あとはコンセント回路のジョイントに繋いだり、分電盤までもっていったり、テレビ線であれば分配器に繋いだりとやりくりして終了です!
壁裏の配線
壁裏の配線はジョイント釣り名人でほとんどの場合配線可能です。
しかし、壁の中に障害物がある場合はジョイント釣り名人がうまく通らないことがあります。
そんなときにはジェフコム のチェーン釣り名人が活躍します。
言ってしまえば輪っかのついた鎖です。笑
ただ丁度良い太さと重量ですので電気工事配線の必需品です。
鎖ですので重力で真っ直ぐに落ちてくれるので、落とした真下にチェーンが来てくれます。
梁や軽量振れ止めなどの障害物があってもちょっと揺すってあげれば落ちてくれるので簡単に壁裏通線が可能です。
注意事項はチェーンから手を離すとするすると落ちていくので壁裏の底に落ちて二度と取れないという悲しいことになります。
点検口側で先にケーブルを付けておくなどすれば心配ありませんね。
自分で配線が難しい場合はプロへ
上記の方法を是非試していただきたいのですが、やっぱり自分では荷が重いというかたはプロへお任せしたほうが確実で早く高品質で作業していただけます。
LANケーブルなどの弱電でしたら資格はいりませんが、コンセントや照明器具ですと電気工事士の資格が必要になりますので、資格がない方はプロへお任せしましょう。
最後に
今回は狭い場所の配線方法と便利道具を紹介しました。
ケーブルキャッチャーとジョイント釣り名人のコンボは住宅、野丁場問わずよく使うので是非習得してみてください。
チェーン釣り名人もここぞという時にやはり活躍します。
この記事がみなさんの現場のお役にたてれば幸いです。
それではまた、ご安全に!