圧着ペンチは電装用や電気工事用など、種類が多くどれを使えばいいかわかりにくいですよね。
そこで、今回は電気工事士が所持するべき圧着ペンチをまとめました。
その中でもおすすめできるものを紹介しますので是非ご覧ください。
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圧着ペンチとは
圧着ペンチとは、電線同士を接続したり、電線を端子台やブレーカーに接続するために端子を付けるために、リングスリーブ や端子を圧着(かしめる)するものです。
業界では略して「アッペン」と呼ばれています。
スリーブや端子に電線を挿入し、圧着ペンチでかしめるによって電線とスリーブ等が接続されます。
電気工事士が実務で使用する圧着ペンチは3種類
電気工事士がよく使用する圧着ペンチは下記の3種類です。
これを揃えれば実務では問題なしですのでチェックしておきましょう。
・リングスリーブ 用
・裸圧着端子用
・絶縁閉端接続端子用(CE型)
リングスリーブ 用
リングスリーブ 用は、名前のとおりリングスリーブ 圧着専用のものとなります。
電気工事士資格の実技試験でも必須の圧着ペンチですよね。
黄色い柄が特徴ですので、現場では「黄色のアッペン」なんて呼ばれたりします。
スリーブのサイズにより「小(1.6×2)、小、中、大」に対応し、刃が突起状になっていることも特徴です。
「小(1.6×2)、小、中」対応のものもありますので、購入の際は注意しましょう。
実務においては、一番使用頻度が高い圧着ペンチですので、小規模物件大型物件問わず必須の工具です。
主にVVFケーブルの接続やスイッチ結線に使用されます。
VVFケーブルのような単線以外にも、CVのようなより線も5.5sqまでは対応します。
裸圧着端子用
裸圧着端子用はより線専用の圧着端子です。
赤い柄が特徴ですので、現場では「赤いアッペン」なんて呼ばれたりします。
ブレーカーや端子台に電線を接続する際には「端子」を、電線同士を接続する際は「BスリーブやPスリーブ」をかしめます。
また、より線を速結端子に接続する際は、「棒型端子」をかしめるために使用します。
サイズは小型のものから大型のものまであり、1.25〜38sqまで対応していますので、購入の際は適応サイズの確認をしましょう。
基本的には、22sq以上の圧着は電動工具を使用するため、1.25〜5.5の小型のタイプと14sqまで対応した中型のタイプを一つずつ所持するのが主流です。
ラックのボンドアースなどで14sqまでは使用しますので、14sq対応までのものがあると便利です。
絶縁閉端接続端子用(CE型)
絶縁閉端接続端子用は、CE型という絶縁被覆付きの圧着スリーブをかしめるための圧着ペンチです。
青い柄のものが多く、刃の部分が絶縁被覆を損傷させないように平らになっていることが特徴です。
現場では「CEのアッペン」などと呼ばれたりします。
CE型のスリーブは1.25以下の細い電線同士を接続する際に使用します。
リングスリーブ ですと適応していなく、抜けの可能性があるため、主に弱電線の接続にはこちらを使用しましょう。
電気工事では、弱電線の器具付けはほとんど行うことはありませんので使用頻度としては高くありません。
しかし、弱電線の配線までは施工範囲となり、電線の接続作業が発生することがありますので所持することをおすすめします。
おすすめの圧着ペンチ
HOZAN P-737
HOZAN ホーザン 圧着工具(リングスリーブ用) P-737
ホーザンから小型のリングスリーブ 用圧着ペンチです。
大スリーブのダイスがない代わりに、小型軽量化されています。
みなさんも、経験あるかもしれませんが、現場で大スリーブをかしめる場面が意外と少ないですよね。
ほとんどの場合が小か中スリーブです。
そのため、ふだん使いはこちらの小型圧着ペンチを使用し、大スリーブをかしめる際にP-77を取り出してくるといった使い方を個人的にはおすすめします。
小型ですので、腰道具の中もかさばらず、何より片手で圧着できますのでかなりの優れものです。
電気工事士試験の実技試験も大スリーブは出てきませんので、こちらの小型圧着ペンチを使用しスピードアップを狙いましょう!
HOZAN P-77
こちらもホーザンからリングスリーブ 用の圧着ペンチです。
小(1.6×2)から大スリーブまで対応していますので、リングスリーブ はこれ一本で対応可能です。
柄が湾曲していて握りやすいグリップが魅力で、何よりもペンチの握りがとても軽いです。
かしめる際に硬いと、とてもストレスになりますので、軽く圧着できるおすすめの1本です。
ロブスター(ロブテックス) AK2MA
ロブスターから裸圧着端子用の圧着ペンチです。
0.5から5.5sqのより線用となります。
5.5sqまでの対応ということで、小型軽量ですので握りやすく簡単にかしめることができます。
リングスリーブ 用と共通していますが、小型の圧着ペンチは本当に使いやすいです。
分電盤の負荷側の結線をする際などは、何十本とCVをブレーカーに結線する作業が発生します。
そのような場面で小型の圧着ペンチを使用することで、疲れにくくなりますので非常におすすめです。
ロブスター(ロブテックス)AK19A
こちらもロブスターから裸圧着端子用圧着ペンチです。
2〜14sqまで対応しています。
14sqまでは、アースの接続等細かい作業がありますので、手動の圧着ペンチがあったほうが便利ということで所持することをおすすめします。
38sqまで対応した圧着ペンチも販売されていますが、22sq以上は電動工具を使って圧着するのが主流となりますので、14sq対応の圧着ペンチで十分と個人的には思います。
こちらも絵が湾曲していますので、握りやすくとてもかしめやすい作りです。
マーベル MH-128
マーベル ハンドプレス 絶縁被覆付閉端接続子用 MH-128
マーベルから絶縁被覆付閉端接続用圧着ペンチです。
こちらは「1、2、5、8」の全てのCEスリーブに対応しています。
リングスリーブ用と裸端子用は小型のものもあると便利と紹介しましたが、電気工事ではCE端子の使用頻度が少ないので、何個も所持する必要はないかと思います。
そのため、大は小を兼ねるということで全サイズ対応のマーベルMH-128をおすすめします。
最後に
電気工事の必須工具、圧着ペンチの紹介でした。
今回紹介した圧着ペンチを揃えれば電気工事実務では問題にならないでしょう。
リングスリーブ 用については、P-77で全サイズ対応できますので作業性を重視しなければ一本の所持でも大丈夫です。
この記事が現場のお役に立てれば幸いです。
それではまた、ご安全に!