電気工事の現場で、盤の穴あけやノックアウトパンチの下穴あけに欠かせないのがステップドリルです。 一本で複数の穴径に対応できるため、腰道具を軽くしたい職人にとっての必需品ですよね。
しかし、ホームセンターや工具店に行くと、数千円のものから数万円のものまで並んでいて、「どれを買えばいいのか」迷うことも多いはず。
今回は、現場でガシガシ使える「後悔しないステップドリル」の選び方を、実務目線で詳しく解説していきます。
クリックできる目次
穴あけサイズと「段数」の選び方
電気工事で使用する場合、基本的には「ノックアウトパンチのボルトサイズ」と「よく使う電線管のコネクタサイズ」をカバーしているものを選びます。
おすすめの最大径:20mm〜30mm
- 下穴用途メイン: ノックアウトパンチの小ボルト(10mm)や大ボルト(20mm)が通るサイズが必要です。最大22mm程度のステップドリルがあれば、ほとんどの下穴に対応できます。
- 直接穴あけ用途: 電線管 E19やE25のコネクタを直接取り付けたい場合は、その外径(21mmや27mm)が含まれている段数を選びましょう。
材質とコーティング:鉄用かステンレス用か
ステップドリルの価格差のほとんどは、この「材質」と「コーティング」にあります。
- HSS(ハイス鋼): 一般的な鉄板(盤の筐体など)用。安価ですが、ステンレスにあけると一発で刃がダメになります。
- HSS-Co(コバルトハイス): 非常に硬く、ステンレス板の穴あけにも対応可能です。電気工事では、盤がステンレス製であることも多いため、「コバルトハイス製」を一本持っておくのが現場の鉄則です。
- チタンコーティング(金色): 表面の耐熱・耐摩耗性を高めたもの。長寿命ですが、再研磨は難しくなります。
「スパイラル刃」か「ストレート刃」か
刃の形状にも2種類あります。結論から言うと、電気工事には「スパイラル刃」が圧倒的におすすめです。
- スパイラル刃(ねじれ刃): 切り粉がスムーズに排出され、食い付きが良いのが特徴。穴あけスピードが速く、バリも出にくいです。
- ストレート刃: 安価ですが、切り粉が溜まりやすく、作業スピードはスパイラルに劣ります。
シャンク(軸)の形状に注意
インパクトドライバーで使用する場合、「6.35mm六角軸」であることを必ず確認してください。 最近のハイパワーなインパクト(18Vや40V)で使用する場合、軸が折れやすい安価なものは避け、シャンク部の強度が保証されているメーカー品を選びましょう。
ただし基本的にインパクトは穴あけ工具ではない・・・
上記でインパクトドライバーで使用する場合と言いましたが、基本的に穴あけ作業はインパクトドライバーは向きません。
インパクトは横方向に打撃を打つので、ステップドリルに限らず穴あけ系のキリやホルソーなどは打撃で刃がダメになります。
穴あけ作業は充電ドライバーを使用しましょう。
充電ドライバーが手元にないく、仕方なくインパクトドライバーで穴あけをする場合は六角軸のものがあると便利です。
プロが勧める定番メーカー
現場で信頼されている、間違いないメーカーを3つ挙げます。
① ロブテックス(エビ印)
電気工事士にはおなじみのエビ印。ステップドリルのラインナップが非常に豊富で、特に「ステージドリル」シリーズは切れ味・耐久性ともに最高クラスです。
② ジェフコム(DENSAN)
電設工具の専門メーカー。電気工事でよく使う穴径(19、25、27など)を意識した段構成になっているモデルが多く、非常に使い勝手が良いです。
③ ウイニングボア
穴あけ工具に特化したメーカー。コバルトハイス製のステップドリルは、ステンレスへの食い付きが非常に良く、タフな現場で支持されています。
まとめ:長く使うためのコツ
- ステンレス用(コバルトハイス)のスパイラル刃を基本に選ぶ。
- 切削油を必ず使う: 刃を長持ちさせる最大の秘訣です。少し垂らすだけで、摩擦熱による刃こぼれを劇的に防げます。
- 回転数を調整する: 大口径になるほど、回転を落としてゆっくりあけるのがプロの技。
ステップドリルは消耗品ではありますが、良いものを選んで正しく使えば、現場でのストレスを大幅に減らしてくれます。自分の腰道具に最適な一本を、ぜひ見つけてください!
それではまた、ご安全に!