照明器具のスイッチを切っているのに、ほのかに点灯している状態を見ることはないでしょうか。
これは、スイッチの種別、漏電、誤結線など様々な原因でおこりえます。
まるで常夜灯のように点灯しているので、裏をかえせば便利ですが、わずかではありますが電力を消費していますし、微点灯が気になるといった方も多いかと思います。
そこで、本記事では微点灯になるメカニズムと対策を解説していきます。
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照明器具の微点灯とはどんな状況か
照明器具の微点灯とは、スイッチを「切り」の状態にしても照明器具がほのかに点灯している状況です。
基本的に、電気回路は閉回路を形成しなければ電流が流れることはなく、照明が点灯することはありません。
スイッチを切るということは、回路が物理的に切り離されているので閉回路ではないのですが、照明が点灯するというのはとても不思議な現象です。
実は、様々な要因でスイッチを切っていても閉回路になることがありますので、以下に説明します。
原因①
ほたるスイッチが使用されている
スイッチにほたるスイッチを使用している場合、スイッチOFF時でも閉回路となりますので、微点灯することがあります。
ほたるスイッチは、消灯(スイッチOFF)しているときにスイッチの表示ランプが点灯するので、暗闇の状態でもスイッチの位置がわかりやすいというメリットがあります。
ほたるスイッチの内部回路は、スイッチが切れても表示ランプを点灯させるために、並列回路になっています。
照明器具をONOFFさせる主接点の回路と、表示ランプを点灯させる回路の並列回路です。
表示ランプ側の回路は、接点がなく高抵抗の抵抗器が挿入され常に導通されている状態です。
スイッチONのときは抵抗が低い主接点側に電流が流れ照明器具を点灯させ、スイッチOFFのときは接点が開きますので必然的に表示ランプ側に電流が流れて表示ランプを点灯させます。
ここで、スイッチOFFのときは内部抵抗が高いので、表示ランプのみ点灯させ、照明器具は点灯させません。
高抵抗の抵抗器によって、照明器具にかかる電圧は限りなく低くなりますが、照明器具の種類によっては微点灯することがあります。
特にLED照明は、この事象がおこることが多いです。
関連記事:ほたるスイッチとは?パイロットスイッチとは?それぞれの違いと負荷容量について解説!
対策
対策としては、ほたるスイッチを使用せずに一般的な片切りスイッチに交換することが確実な対処法となります。
ほたるスイッチがどうしても使用したい場合は、照明器具を交換する方法になりますが、微点灯しない照明器具の選定は取扱説明書や施工説明書の注意事項に記載があるあるので確認してみましょう。
原因②
200V回路に片切りスイッチが使用されている
特定の200V回路を使用した照明器具は、片切りスイッチを使用すると微点灯する可能性があります。
200V回路に片切りスイッチを使用している場合、スイッチをOFFにした状態でも、片側の相は100Vがかかっている状態です。
もう片方の相は、スイッチで接点が開いているので通常であれば閉回路となることはありません。
しかし、次の原因によりアースに地絡することで閉回路が形成され、微点灯する可能性があります。
照明器具に接続された片相には100Vがかかり、もう片方はアースなので0Vとなり、電位差100V +閉回路の条件で電流が流れます。
一つ目の原因は、漏れ電流によるものです。
照明器具や、器具に接続されている電線が漏電することにより、高圧トランスに接続されたB種接地を経由して閉回路を形成します。
二つ目は、高周波ノイズによるものです。
電源にのった高周波ノイズが、浮遊容量を介してアースに流れることで閉回路を形成し微弱な電流を流します。
照明器具のLED基板と、接地されている器具本体(金属筐体)は絶縁されていますが、高周波的には浮遊容量(コンデンサ)となりアースに通じます。
この二つの原因により、アースを介して閉回路が形成され、微弱電流が流れることで照明器具が微点灯することがあります。
関連記事:片切スイッチ、両切りスイッチの違いと使い分けについて解説!それぞれのメリットデメリットは?
100V回路でも誤結線で同様の状況に
100V回路の照明器具においても、スイッチ結線が誤っていると上記と同様の事象となることがあります。
通常の100V回路は、スイッチの接点がLIVE側(電圧があるほう)に入るようにスイッチ結線をし、スイッチOFFのときは照明器具に電圧がかかりません。
しかし、スイッチ結線を誤り、接点がニュートラル側(電圧がないほう)にしてしまうと、照明器具の片相に100Vがかかり、200Vの片切りスイッチと同じ状態になります。この誤ったスイッチ結線を通称ニュートラル結線と呼んだりします。
この状態で、上記の漏れ電流や高周波ノイズの影響があると、微点灯になる可能性があります。
対策
対策としては、200V回路については両切りスイッチを使用することを推奨します。
両切りスイッチはコスト面で不利となりますので、微点灯しない照明器具を選定する方法でもよいと思います。
その場合は、取扱説明書や施工説明書の注意事項に記載がありますので、確認してみましょう。
100V回路は、スイッチ結線が間違っていないかを確認する必要があります。
スイッチをOFFにしても、照明器具に電圧がかかっていたらスイッチ結線が間違っています。
まとめ
まとめ
- 100V回路は、誤結線やほたるスイッチにより、微点灯することがある。
- 200V回路は、片切りスイッチを使用することにより微点灯することがある。
- 微点灯しない照明器具を選定する。