電気工事で使用する電線に端子を接続するための工具、「圧着工具(圧着器)」と「圧縮工具(圧縮器)」の違いってわかりづらいですよね。
どちらも端子を押しつぶして電線の導体と接続させるための工具ですが、違いとしては刃の形状にあります。
それぞれの違いと用途を説明していきますので是非ご覧ください。
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圧着工具とは?
圧着工具とは、ケーブルや電線を接続するために使用する工具です。
電線を端子台やブレーカーに接続するための端子を付けたり、電線同士を接続することができます。
導線を端子やスリーブに差し込み、それを圧着工具で押しつぶすことで確実に接続することができます。
圧着工具には、手動式と電動式(油圧式)があり、端子サイズが大きい場合は電動式を使用します。
電気工事士試験の実技試験で使用する圧着ペンチも圧着工具の一つですね。
圧着工具には潰せる端子やスリーブに応じて種類があり、下の記事で紹介していますので参照ください。
電気工事において、圧着工具は以下の用途で使用され、ほとんどのケーブルの接続に使用されます。
・リングスリーブ の圧着
・B型スリーブの圧着
・P型スリーブの圧着
・一般的な各端子の圧着
・CEスリーブの圧着
そして、圧着工具のダイスの形状に着目してみると雄刃が突起しているのがわかるかと思います。
この突起した刃の一点で押し込んで(プレス)いくのが圧着工具です。
圧縮工具とは?
圧縮工具は、用途としてはケーブルの接続ということで圧着工具と同じですが、潰すものが専用のコネクタとなります。
こちらも手動と電動があります。
電気工事においては、二つの場面で使用され、圧着工具に比べて使用頻度は低いといえます。
【T分岐に使用する】
一つは電線を分岐させる場合に使用される、T型コネクタを圧着する場合です。T分岐という手法になります。
コネクタはCの形をしていて割りが入っていますので、電線の途中部分でも電線を挿入して接続することが可能です。
【UGSの端子接続に使用する】
二つ目は、UGSという高圧受電の建物における、地中から受電する場合に設置する高圧キャビネットに収められてる機器へ電線を接続する端子に使用されます。
上の図のような専用の端子を圧縮する際に使用されます。
そして、圧縮工具のダイスに着目すると、刃が六角の形状になっていることがわかります。
圧縮工具の場合、両側から押し込み形状が六角の形状をしていることから、周囲を均等に潰していく方法となります。
「圧縮」という言葉のとおり、力を加えて小さくするとイメージするとわかりやすいかと思います。
圧着工具と圧縮工具の違いまとめ
【圧着工具】
・端子接続、ケーブルジョイントに使用
・ダイスは突起状
・一点にて潰す
【圧縮工具】
・T分岐ジョイント、UGSの端子接続に使用
・ダイスは六角型
・均等に潰す
簡単にでしたが、圧着工具と圧縮工具の違いの説明でした。
電気工事士の筆記試験でも鑑別問題で、「圧着」と「圧縮」という形状の違いの問題が出題されますのでチェックしておいてくださいね。
それではまた、ご安全に!