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【知識】各電源ケーブルの色分けの理由と方法。幹線と分岐ケーブルに分けて解説!

2022年5月4日

今回は電気工事の電源ケーブルの色分けについて解説していきたいと思います。

工事に携わっている方はなんとなく常識の色分けを使っているけど何故かは知らない、または間違った色分けを行なっている方もいるかもしれません。

そこで、今回はどうして色分けが必要なのか、色分けの方法など根拠も含めて説明していきます。

【幹線編】と【負荷側】について、要は主幹ブレーカーの一次側に配線される部分と分岐ブレーカーから機器に繋がる部分に分けて説明していきます。

それではやっていきましょう!

この記事でわかること

  • なんでケーブルの色分けが必要なの?
  • 色分けの根拠規程ってあるの?
  • 各ケーブルの色分けの方法が知りたい!

なぜケーブルの色分けが必要なのか

単相3線式や三相3線式配線などの多線式配線では色々な箇所で接続点を設けたり、配線には多くの施工者が介在する場合がほとんどです。

そのようなことから電線の誤接続や機器への誤結線が懸念されます。

誤接続、誤結線を防止するため、電線や配線器具には標識を施すことになっています。

電気設備技術基準の解釈の第2節第3条では「線心が2本以上のものにあっては、色分けその他の方法により線心が識別できること」とし明確な色までは規定されていません。

しかし、内線規程と公共建築工事標準仕様書には明確な識別が記載されてあり、これが業界では常識となっています。

下の表はまとめたものになります。

配線方式 内線規程 公共建築工事標準仕様書
単相2線 接地側

非接地

白又は灰

単相3線 第1相

中性線

第3相

白又は灰

三相3線 第1相

第2相

第3相

白又は灰

三相4線 第1相

第2相

第3相

中性線

白又は灰

直流 正極(P)

負極(N)

接地線 緑/黄又は緑 緑/黄又は緑

内線規程では接地線と中性線についてのみ明記していますが、公共建築工事標準仕様書では他の電線の識別まで明記しています。

現場で当たり前のように色分けしていたものは公共建築工事標準仕様書に基づくものですね。

規程では第1相、第2相、第3相と表現していますが、一般的にはそれぞれR相、S相、T相と表現します。

※内線規程で中性線に使用できる色として灰色でもよしとしている理由は、白色が変色などにより灰色に見える場合もあるためです。

 

幹線デーブルの色分け方法

上記表をもとにし、幹線ケーブルの色分けを説明していきます。

幹線なので主回路、要は主幹ブレーカーの電源側の部分ですね。

ケーブルの規格上、配線自体の色分けができない場合がありますのでその場合はチップ等を使って色の識別をしますので注意が必要です。

※これから説明する色別は内線規定や公共工事標準仕様書に基づいた一般的なものです。施主によっては色別を指定されることがありますので施工前に設計図書等を確認するなどの注意が必要です。

単相2線式の幹線の色分け

単相2線は古い住宅等でたまにありますが、新築ではまずお目にかかることはありません。

主幹ブレーカーの電源側に2本の線を使用しています。

接地側電線は白色、非接地側には黒色を使用します。

2相の線間電圧100Vしか取り出すことができません。

単相2線式における電線は3種類です。

・非接地側、L極(Live) 対地電圧100Vが通電されています。黒い線を使用します。

・接地側、N極(Neutral) トランスの中性線で接地されていますので対地電圧は0Vです。白い線を使用します。

・接地線、E(earth)   D種接地工事を施された接地線です。各所の接地に使用します。緑線を使用します。

 

新築で単相2線式を施工することはまずないかと思います。

改修工事では単相3線への切り替え工事が多いかと思いますが、幹線のみ引き換えも全くないとも言えませんのでブレーカーの極性には気をつけましょう。

2P1Eのブレーカーですと素子が片方にしかないので黒線(非接地側を)素子のあるほうに結線します。

 

単相3線式の幹線の色分け

単相3線式は住宅や高圧受電建物の電灯盤に使われます。

単相=電灯とも呼ばれ、単相100Vと単相200Vを取り出せます。

単相3線式の場合は使用する線は4本です。

第1相(R相):赤い線を使用します。

第2相(S相又N相とも呼ぶ):白い線を使用します。

第3相(T相):黒い線を使用します。

接地線:緑線を使用します。

電源で使用する3本+接地線ですね。

さて、配線方法ですが幹線はCVTが多いかと思います。CVTの場合はR、S、Tそれぞれに赤、白、黒の色で配線します。

絶縁キャップも同色を使用します。

別途、接地線用に緑のIVを配線するといった感じです。

CVの場合は4芯ケーブルが存在しますので接地線を含めた4芯を配線したほうが効率が良いでしょう。

 

三相3線式の幹線の色分け

三相3線式は動力とも呼ばれるもので主にモーターなどの回転機を動かす電源になります。

工場や大型施設に使われるものでイメージとしては大型機器を動かす際に使用されます。

各線の呼称はR→S→Tで単相3線と同様で使用する線も同様です。(線に流れる電気の質というか位相は違います。)

余談ですが三相の各相は「R→S→T」の他「U→V→W」、「X→Y→Z」などと表現されます。

それぞれ→の順番で相回転しますのでこの順番が正相となります。

「R→S→T」は主に電源や一次側の部分に使用され、「U→V→W」は二次側や負荷側の機器、変圧器などに使用されます。「X→Y→Z」はスターデルタ回路や足りない場合に使用されます。

このような使われ方が多いというだけで特に規格等で決まっているわけではありません。

機器によって表示が違ったりしますが、一般的な相の呼称はRSTで問題ないかと思います。

ですので今回はRSTと呼んで話を進めていきます。

ここで三相の色分けで注意しなければならないのが、公共建築工事標準仕様書にも記載されているとおり第3相(T相)の色分けは青というところです。

幹線はCVTやCVで配線されることがほとんどですがケーブルの仕様として青が存在しないため、黒線の絶縁キャップのみ青を使用します。

「あれ、絶縁キャップだけってありなの?」と思われるかもしれませんが、公共建築工事標準仕様書には次のように記載されています。

主回路の胴体は、表1.1.7により配置し、その端部又は一部に色別を施す。ただし色別された絶縁で沿線を用いる場合は、この限りでない。

引用:公共建築工事標準仕様書(電気工事)

単相3線と三相3線の違いはT相の絶縁キャップが黒か青かということですので、盤の中を見ればどちらかが容易に判断できますね!

注意ポイント

三相3線のT相の絶縁キャップは青色を使用する



分岐回路(負荷側)ケーブルの色分け方法

幹線の次に気になるは負荷側のケーブルですね。

証明やコンセント、動力設備の電源など、何色のケーブルで配線すればいいのかを説明します。

単相100Vの色分け方法

単相100Vは一般的に言われる100V電源ですね。

一般的なコンセントや照明器具などに使用されます。

電源は単相3線の盤(電灯盤)から配線されます。

・非接地側、L極(Live) 対地電圧100Vが通電されています。の表示をします。

・接地側、N極(Neutral) トランスの中性線で接地されていますので対地電圧は0Vです。の表示をします。

・接地線、E(earth)   D種接地工事を施された接地線です。の表示をします。

幹線のR相とT相の内一本とS相(N相)から取り出し線間電圧100Vを取り出します。

・VVFケーブルの場合

VVFケーブルの場合は黒白緑を使用します。

ここで注意していただきたいのが、100V電源は相バランスを確保するためにR相とT相の回路数を均等に近く設計されているのですが、どちらの相の回路でもL極は必ず黒で統一するということです。

内線規程では以下のように規定しています。

1315-6  単相3線式分岐回路の電線の標識

①電圧側電線のうち100V回路を接続する側の電線は黒色の標識を施すこと。

②電圧側電線のうち100V回路を接続しない側の電線は赤色の標識を施すこと。

③前2号の標識は線心の識別によること。

引用:内線規程

これは負荷側の色別において主幹のR相とT相がどちらから取り出しているかは全く重要ではないからです。

重要なのは単相100Vなのか単相200Vなのかを色で判断できるかです。

赤と黒が混在していると現場ではとても混乱します。

また、100V用に黒と赤のケーブルを準備し、現場で色分けをするとコスト的にも施工的にもかなりのロスになります。

そのため単相100Vは黒、白、緑(アースなしの場合は黒、白)で統一されています。

・CVケーブルの場合

屋外に設置する機器や30AコンセントにはCVケーブルで配線しますね。

CVケーブルの場合はメーカー仕様上、黒白赤が標準品となります。

黒白緑を注文する場合、特注品となるため黒白赤を使用するのが一般的です。

アースが赤線となってしましますのでケーブルの端末部(機器結線部分)の絶縁キャップを緑にします。

ですのでCVケーブルの場合は配線は黒白赤、赤線のアースのみ緑の絶縁キャップを使用します。

 

単相200Vの色分け

単相200Vは単相3線のR相とT相から線間電圧200Vを取り出します。

電圧が100Vの2倍ですので半分の電流で100V電源と同じ出力を得ることができるため、出力の高い機器に使用されます。

住宅ですと大部屋に設置される出力の大きいエアコンやIHクッキングヒーター、電気自動車の充電用コンセントなどに使用されます。

・R相電源 対地電圧100Vが通電されています。の表示をします。

・T相電源 対地電圧100Vが通電されています。の表示をします。

・接地線、E(earth)   D種接地工事を施された接地線です。の表示をします。

 

・VVFケーブルの場合

「②電圧側電線のうち100V回路を接続しない側の電線は赤色の標識を施すこと。」の規定通り黒、赤、緑を使用します。

VVFケーブルは黒赤緑が標準品にあります。

単相100Vとの識別は白か赤かで判別できますね。

・CVケーブルの場合

CVケーブルの場合は単相100Vと同様に標準品が黒白赤なので黒、白、赤のケーブルを使用します。

単相100V回路と違うところは電源線は黒、赤を使用しアースは白線を使用するというところです。

アースが白線になってしましますので電線の端末部分に緑の絶縁キャップを取り付けます。

ですのでCVケーブルの場合は配線は黒白赤、白線のアースのみ緑の絶縁キャップを使用します。

 

三相200Vの色分け

三相200Vは幹線の三相3線がそのまま分岐して負荷に配線されるイメージです。

三相ですので電源線に3本、アースに1本で合計4本配線します。

配線としては赤白黒緑ですが表示(絶縁キャップ)は赤白青緑ですね。

幹線と同様にCVTの場合は別途、緑線のIVをアースとして配線し、CVの場合は4芯ケーブルを配線します。

絶縁キャップも幹線と同様にT相に青色を使用する部分が注意ポイントです。

機器側の相表示ですがモーターはU→V→WとなっていたりするのでUVWの順に赤白青と結線します。

逆相の場合は赤と青をひっくり返して青白赤となります。

動力コンセントの場合はX→Y→Zと表示されていたりするのでXYZの順に赤白青です。

 

最後に

根拠を含めて各配線の色分けの説明でしたが、どこの現場でもほぼ共通かと思います。

稀に客先からの色の指定がありますので、施工前に確認は必要です。

色分けは事故や施工不良を防ぐ重要な部分ですのでしっかりとした知識をもって施工しなくてはなりません。

この記事で自信を持って配線をしていただければ幸いです。

それではまた、ご安全に!

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