施工要領

【施工】通線作業の施工方法を解説!通線ワイヤーの結び方使い方も!

2022年6月11日

今回は【通線作業】について説明していきます。

配線のルート構築の一つに配管がありますが、頑張って配管しても中に何もなければただの管です。

水道管と違い、電線管は配管の後に通線作業が待っています。

基本的な施工方法から注意点、通線ワイヤーの結び方も紹介していきます。

 

通線作業とは?

通線とは電線管にケーブルや電線を通す作業のことを指します。

配線と通線の違いは電線管の中を通すかそれ以外かの違いです。

通線はPF管やプリカなどのフレキ管や塩ビ管、鉄管などの中に線を通すこと全てに当てはまります。

極端に短い距離でない限り、基本的には通線ワイヤー(スチール)を配管に挿入し、反対側から出てきた通線ワイヤーにケーブルを結んで引き抜きます。

おすすめの通線ワイヤーはこちらを参照ください。

【通線ライン】電気工事のおすすめ通線ワイヤーを作業状況別に紹介!【スチール】

 

通線作業の施工方法

通線作業の作業自体はとてもシンプルです。

①まず通線したい配管に通線ワイヤーを通していきます。

②配管の逆側の口から通線ワイヤーが出たら、「出た」という合図を挿入側に伝え通線ワイヤーの挿入を止めます。

③通したいケーブルを通線ワイヤーの先端に付けます。準備OKの合図を挿入(ケーブルを引っ張る側)に伝えます。

④ケーブルを押す側から掛け声をし、引く側と押す側のタイミングを合わせながらケーブルを通していきます。

 

通線作業の基本とコツ

二人以上で掛け声をかけて作業する

よっぽど短い距離でなければ引く側と押す側に分かれますので二人以上の作業となります。

太いケーブルや本数が多いと、さらに人数が多くなります。

ケーブルを引く側が多人数でないと重くて引っ張れなかったり、ケーブルを押す側もケーブルを押す役とケーブルの面倒を見る役にわかれたりするので人数を要することになります。

※ケーブルが絡んだり引っかかったりしないように様子を見てあげることを「ケーブルの面倒を見る」といいます。

また、掛け声はとても重要な要素です。

押す側が「せーの」と言ったら「そーれ」のタイミングで押し側と引き側が同時に力をかけます。

力が同時に加わらないと片方だけで通線しているのと同じです。

ちなみに「せーのそーれ」は地域性があるかもなので別の掛け声の地域もあると思います。

ケーブルを押す側が重要!

通線作業はケーブルを押す側が要となります。

ケーブルを押す側に通線するケーブルがある状態ですので

ケーブルが絡んでいないかの状況を見てタイミングを決めます

押す側はケーブルが絡んでいたらストップと言って通線作業を中断させます。

掛け声は基本的に押す側が出し始め、それにタイミングを合わせるように引っ張り側が掛け声を出しながら引っ張ります。

ケーブルが絡まっていた場合引く側が勝手に引っ張ってしまっては大変ですからね。

掛け声のスピードも押す側が決めますので、通線作業は押す側が主導で進めることになります。

また、引く側は力強く引くことが重要ですが、押す側は引く側が楽に引けるように工夫をします。

引くタイミングで一緒に押してあげることはもちろんですが、多数のケーブルを一気に通線する場合はケーブルを揃えてあげます。

ケーブルが揃わないと途中で引っかかる原因となったり、断面積が多くなるのでケーブルを通し難くなるからです。

先ほどの押し側がタイミングを決めるというのは、ケーブルを揃える時間もありますね。

それから引く側が重そうだと判断したら、押す側の方でケーブルに入選剤を塗布しケーブルの滑りをよくしてあげることにより楽に通線することができます。

このように押す側の人間はやることがいっぱいです。

押す側の役目

・掛け声を出し始め通線作業を主導する

・ケーブルの状況を確認する

・ケーブルをおしてあげる

・ケーブルを揃えてあげる

・ケーブルに入線剤を塗布する

配管と同じ方向に引く

引く側は押す側の合図を受けて引っ張ります。

ケーブルを引く方向は配管と同じ方向にしないと配管の口に摩擦抵抗がかかり重くなります。

また、配管の口にケーブルが擦れている状態ですとケーブルが痛み不具合の原因になります。

EPSなどの狭い場所もありますが工夫しながらまっすぐに引っ張るようにしましょう。

通線ワイヤー(スチール)の結び方が重要!

通線ワイヤーの結び方一つで、途中でケーブルが外れてしまったり、引っかかって通らなかったりということがあります。

結び方が甘いと強く引っ張った際にケーブルが外れてしまいます。

また、ケーブルと通線ワイヤーの繋ぎ目に段差があると、配管の中で引っかかったり摩擦がかかったりして重くなりますのでビニールテープでしっかりと巻き、段差を滑らかにしてあげましょう。

通線ワイヤーの結び方は後述します。

ケーブルの太さ、作業状況に応じて道具を選定

弱電線やVVFケーブルなど現場の大半は一般的な通線ワイヤーで問題ありません。

地中線のエフレックスに通線する場合はさらに頑丈でコシのある専用の通線ワイヤーを使用します。

幹線のCVTや高圧ケーブルなどのふとものは、通線の際に強い力がかかるという理由と大人数で引っ張れるようにロープを使用します。

一度配管に通線ワイヤーを通し、それを呼び線としてロープを通線します。

さらにロープを呼び線として太物ケーブルを通線するといった要領です。

短い距離は通線ワイヤーなしでも大丈夫!

配管の曲がりが少なく距離が短い場合は通線ワイヤーなしでも通線できます。

試しに色々な配管に通線ワイヤーなしで直接ケーブルを押し込んでみると、どの程度なら通線ワイヤーなしで通線できるかの感覚がわかってきます。

ただ、そのままではケーブルの先が引っかかり通りにくいので、先を折り曲げるかビニールテープで巻いてあげると摩擦が低減されて通り易くなります。



通線ワイヤーの結び方

次は通線ワイヤーとケーブルの結び方を紹介していきます。

通線ワイヤーの結び方にも色々あり、状況や距離に応じて結び方を変えます。

重いケーブルや距離が長い場合はより堅固に結ばないといけないので手間がかかります。

逆に短い距離ですと手間は少ないので、状況に応じて結び方を選びましょう。

結び方の強度も感覚の世界ですので、経験を積むごとにつかんでいきますよ!

基本的にVVFケーブルで説明しますが弱電線やCV線でも要領は変わりません。

距離が短い場合の結び方

ケーブルと通線ワイヤーを重ねてビニールテープを巻くだけです。

結ぶというより取り付けるに近いですね。

両側の段差は滑らかになるようにしっかりとビニールテープを巻きます。

距離が短い場合に使用する簡易方法ですので強い力で引っ張ると外れてしまいます。

 

距離が長い場合の結び方

通線ワイヤーの通し穴に通す方法です。

①まず外装を15cm程度剥きIVの状態にします。

IVは1本でも2本でも問題ありませんが、とにかく通線ワイヤーの通し穴に通れば大丈夫です。

VVFの3芯の場合量サイドのIVを被覆の上からニッパーで斜めにカットして、クリッと回すと簡単に真ん中のIV線1本にできますよ!

②次にIV線を通線ワイヤーの通し穴に通し折り返します。

ただ折り返すだけでも大丈夫ですが、捻るように巻くと抜け難くなります。

③最後にビニールテープを全体的に巻き段差を滑らかにしてあげれば完成です。

大抵の場合はこの方法で抜けることはありません。

 

絶対に抜けない最強の縛り方

この方法はどんなに力をかけても通線ワイヤーの方が先に壊れなければ抜けることはありません。

そんなに力がいる場所に通して大丈夫か?と思われるかもしれませんが、現場ではどんなにきつくてもどうしてもここに通さなければならないというシチュエーションが必ず訪れます。

そんな時はこの結び方で結び、フルパワーで引っ張りましょう!

①VVFの3芯の場合ですが、まず3本とも芯線の状態にします。(IV線の被覆も剥きます。長さは長めに20cmくらいがいいかと思います。)

②次に2本だけ通線ワイヤーの通し穴に通し折り返します。

この際も折り返しを捻るように巻いていきます。

③残りの1本を折り返した芯線にさらに巻いていきます。

折り返した芯線が緩まないようなストッパーの役割です。

④全体的にペンチやプライヤーでつまみ固めてあげます。

⑤最後にビニールテープで段差を滑らかにして完成です。

 

すごく狭い配管に通す場合

配管にすでに通線されているなど、少しの段差も許されない場合なども時には訪れます。

ケーブルのままでは厳しい、IV線しか通らない!そんな時は付き合わせるように繋げます。

①まずケーブルの外装を全て剥きIV線の状態にします。

②次に通線ワイヤーとIV線を付き合わせるようにし、インシュロックの切れ端や何か固定できるものを当てがいます。

③最後に全体的にビニールテープで巻いたら完成です。

ビニールテープは伸ばしながら強く巻き、あまりふとくならないように、かつ堅固に巻きます。

いずれにしてもこの繋ぎ方は強く引っ張ると外れてしまうので様子を見ながら引っ張りましょう。

 

通線ワイヤーが通らない時の対処法

通線ワイヤーが通らない時の原因としては

①配管の曲がりで止まっている

②配管が潰れている

③曲がりが多すぎる

この3つのどれかが原因と考えられます。

通らない場合の対処ですが、まず通線ワイヤーを強く握り勢いをつけてガンガン押します。

太い配管の場合はワイヤーの先端を折り返して輪っか状にしてみてください。

①の場合はこの方法で通ることが多いです、

曲がりを通過してしまえば割とスルスル入っていきます。

それでも通らない場合は②と③の場合となりますが、②の場合は他のルートを構築することをお勧めします。

ワイヤーが通らないということはそれよりも太いケーブルが通る可能性は低いです。

仮に通ったとしても潰れた部分でケーブルに傷がつき不具合の原因となります。

③の場合も他のルート構築をおすすめします。

配管の曲がりは270度まで、つまり直角の曲がりは3回しか作ることができません。

2直角でもなかなか通りにくいです。

勢いよくつついても通らない場合は一度配管のルートを確認してみてください。

埋設配管はほぼ諦めるしかないですが、露出配管の場合は目視で確認できますね。

PF管などのフレキ管の場合はカップリング(つなぎ目)の部分を一度バラして引き抜く方法もあります。

 

最後に

いかがでしたでしょうか。

通線作業でも様々なノウハウがあります。

もちろん今回紹介した方法ではなくても、自分がやり易かったり要領がいいと思った方法をどんどん実践していくのもアリかと思います。

長くなりましたが、少しでも現場のお役にたてれば幸いです。

それではまた、ご安全に!

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